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2011年1月29日 (土)

OL財布事情の近年史/第18回 お金、それは「遊ぶもの」女子大生ブームまっただ中のユルいアルバイト

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

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 好景気の追い風を受けて、どんどんお金が増えた80年代。金融の自由化が進み、1983年には中期国債の銀行窓口販売、85年に大口定期預金金利自由化と、有利な金融商品が身近になってきた。また84年には新札が発行、聖徳太子から諭吉さんとなって1万円もそれほど恐れ多い金額ではなくなってきた、かも。
 貯蓄に覚醒しはじめたOLにとって、「使うもの」だったお金は、「遊ぶもの」になった。『an・an』84年11月号「10万円貯めよう」では、「なにしろまず10万円を作るためのガイドから」として、読者の「ユニーク貯め方」を紹介しているのだが、確かに当時ならではユニークさである。
 23歳のスタイリストは、「撮影で使った布の端布でアクセサリーやポシェットを作ることも(略)ほしがる人に2〜3000円で売ってあげちゃう」。友だち手作りの布ポシェット3000円。今ならぼったくりといえよう。さらに「獣医さんに頼まれて猫の移動用フロシキを1枚2000円で縫ってあげてます」。それオイラやるっ!って注文するかそんなもん今! 
 とにかくアルバイトでも何でも、おいしすぎる事例ばかり。18歳学生は「六本木で月に4回あるアンティーク・バザー」でバイトをしているが、「〈コレ、下さい〉といったら、〈ハイ、ドーモ〉といって袋にいれるだけのラクーな仕事。なのに時給は2000円(略)ホントーに笑いがとまりません」。雇っているのは土地バブルの投資家か。そういえば83年には「オールナイト・フジ」がはじまり、女子大生ブームのまっただ中でもあった。また、姉妹でレストランを経営している22歳は「各テーブルに合計5匹の猫貯金箱を(略)たまーに酔っ払ってゴキゲンの人が500円玉を入れてくれたりして、5匹は1か月に1万円くらい稼ぐようになりました」。募金しないのか! まあしかし、若い姉妹オーナーに鼻の下を伸ばしてる代理店オヤジの図が思い浮かびますな。
 若い女性が存分にその価値を貨幣に変え、財布が潤沢になっていっているせいか、お金にルーズになっている面も。23歳OLは、飲み会で必ず「支払係」になる。「10人で行って2万7000円だとするでしょ、私はすかさず、カードを出して払うワケ。そういう時って、小銭は考えないで、みんな3000円ずつくれるから、9人合計で2万7000円、私はいつの間にかタダに」って、それズルですから!お釣り渡しなさい!
 そんな危なっかしい貯め方を紹介している『an・an』のコメントもおもしろい。「てっとり早いアルバイト、何かいいのない?いいの。」「いままでは、ぜんぜん関係なかった、銀行や証券会社も、もっと利用なのです。より知的に、合理的生活を送るためにも、とてもいいチャンス、ガンバろう!」など、いかにもコピーライターブームの頃らしいですね。「イン」で「とんがった」おしゃれさんたちも、「お金、大好き!」と堂々と言えるような雰囲気が作られていたといえましょう。もっとも「クレジットカードなら買い物してから10万円貯めればいい。」「いざとなったらキャッシングで10万円の借金!」と、内容はやっぱり大いに危なっかしいのだが。(神谷巻尾)

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