寺門興隆を読む/第4回 2011年1月号「笑う門に極楽」
あけましておめでとうございます。
今年も何とぞよろしくお願い申し上げます。
さて、新年早々取り上げるのはやはり『寺門興隆』正月号。「1月号」ではなく「正月号」なのがにくい。
今回も見事なラインナップ。表紙に書かれた記事紹介を引用しよう。
葬式なんて要らないと言う人に/住職よ!公益性になんか脅えるな/戦没遺骨問題/ガン患者に寄り添う/落語会の勧め/二十五菩薩来迎復活/寄付裁判/仏教ことわざ
『葬式は、要らない』の衝撃がまだまだ続いているようで、「人生を仕分けたがる人々へ-葬式は要らない、戒名は要らない、お墓も要らない症候群」という記事を書いているのは、小説家僧侶の玄侑宗久氏。豪華な人選です。しかし最も気になるのは「落語会の勧め」ではないでしょうか。該当記事を見てみると、「笑う門に極楽 落語会のススメ」とあり、本堂いっぱいに年配の人々が集う写真が掲載されている。法話をしているかと思いきや、落語らしい。
落語会を企画する副住職は、二十代の頃から「話術を学びたい」と寄席に通うほどの落語好き。なんと林家木久扇師匠をお寺に招いたり、小学校まで出張したりと本格的な取り組みをしている。
ふうんとページをめくっていくと、なんと同じような取り組みをしている僧侶が他に二人紹介されている。なんと、お寺は落語ブームなのか。後には実践のための準備のコツ、落語家とのコンタクトの方法など実践的なアドバイスがのっていて、これさえあればいつからでも落語会を開けるような記事となっている。「我が寺でも落語会を!」と、実行してみるご住職も多いかもしれない。
そしてびっくりしたのが「五十歳を過ぎ得度して宗派を開いたと宣言したのはなぜか」という記事。
えっ新宗派ですか?!このご時世に!と思ってみてみてると、その宗派、「仏陀空也宗」というらしい。平成二十一年の開宗だって。これは記事の記者が「あやしい集団ではないのか」と危ぶむのも納得だ。
本山は千葉県佐倉市。ご住職は「宗派を作らなかった空也上人の教えを、もっと広めたい」との考えで宗派を開いたとのことだ。寺出身ではないので、自分で土地を買い、お寺を建て、宗派を開いた。その行動力にはあっぱれと言いたくなる。
これからの活動に期待、の新宗派。今年も寺門興隆は、いっそう面白くなりそうだ。(小松)
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