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2010年12月27日 (月)

書店の風格/ジュンク堂書店吉祥寺店

 「丸善&ジュンク堂 渋谷店」に引き続き、息もつけない早さで吉祥寺に新規出店を果たしたジュンク堂。今年10月、1100坪という大規模で「コピス吉祥寺」にオープンした。コピス吉祥寺は、吉祥寺伊勢丹跡にできた商業施設。オシャレビルな伊勢丹とはガラッと雰囲気が変わり、入っているテナントはかなりアットホームである。
 ショップ構成を見ると10~20代の女性をフンと蹴散らすような姿勢は見事で、「ユナイテッドアロウズ」などのセレクトショップがあるにはあるが、広い施設内に数える程度。その代わり幅を利かせているのが、キャラクターものやベビー用品、幼児教室などのキッズ専門店だ。そしてアウトドア用品店、呉服店、比較的価格層の高いインテリア用品店などもふんだんにあり、まさにパパママ子どものためのお店。そんなところに、ジュンク堂。割とインテリ層を狙う書店がいかにアットホームさを出せるかが鍵だ、と、テナントのある6階へ向かった。

 縫いぐるみやガチャガチャが所狭しと並ぶキャラクターショップを抜けてジュンク堂内へ入ると、最初に目に入ってきたのは意外や意外、海外小説の棚である。しかも真っ正面に面陳してあるのはウンベルト・エーコ。経済的にシビアなファミリー層を迎えるのには、いささか厳しい棚なのでは? うーん、でも海外小説は装丁に凝っていることが多いので、ついつい手に取ってしまう。よく見ればそんな美しい本ばかり、面だししているのであった。なんてにくい演出。
 そんな海外小説棚をなめるように眺めながら進んでいくと、そこは「本」にまつわる本の世界。さっきから勝負しまくりだけど…と不安になるが、その先はやっとエッセイ棚。恋愛エッセイ、芸能人のエッセイ、サブカルエッセイ、新書、文庫などの棚を抜けると、やっと雑誌の棚が現れた。と、そこにエスカレーターが。あ、そうか。ここから登ってくる人が多いのね。やっぱり入り口近くは雑誌と小説に限る。いやだ勘違い。でも一安心。

 雑誌コーナーをぐるりと回れば、実用書と児童書のコーナーがある。取材当日はクリスマスイブということもあり、絵本や小説を選ぶ親子がかなり多かった。レジでも「プレゼント包装をお待ちのお客様ー」と叫ぶ声が止まない。それを尻目に、7階へと進んだ。レジスターのすぐ脇がエスカレーターというのは、ジュンク堂独特の作りである気がする。そんな風に考えながら。

 7階は専門書のフロアであった。人口密度はぐっと少なくなる。ジュンク堂のおもしろさは、目当ての本を探しつつも目に入る専門外の本をついついめくってしまうところにあるのだから、一般書と専門書のフロアがハッキリ分かれてしまうのは少し残念な気がしなくもない。と思いながらも、やはり建築や化学雑誌の面白さは他に類を見ず、今日も見入ってしまった。文系にはない魅力の一端を嗅げた気がして得意になれるのがいい。

 おとなりに東急(紀伊國屋書店)、近くのサンロードには多くの読書家が愛を寄せるブックスルーエ。この環境下で、どのように差別化が図れるか。などと思いながら、内澤旬子氏の新刊『身体のいいなり』(サイン入り!)を買って店を出た。(奥山)

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