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2010年12月17日 (金)

OL財布事情の近年史/第13回 80年代後半。「お弁当も持って行けないなんて」女子がケチつける遊園地とは

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

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 「お金というのは、使うもの♪」でおなじみの、OL財布事情の近年史です。前回「使うもの」に大ウケして太字で強調した担当者ともども大変楽しませてもらった80年代初頭のOLさんであった。
 さてその後、OLの財布はどのように変化していったのだろうか。まずは80年代中盤から後半の時代背景をおさらいしてみよう。
 1983年、東京ディズニーランドが開園、ファミリーコンピュータ発売。84年、日経平均株価が初の1万円突破、新紙幣発行、「マハラジャ」オープン。夢の国の登場を皮切りに、好景気という天国への階段を上り始めた頃である。85年、つくば万博開催、プラザ合意、民営化でNTT、JT誕生、86年には男女雇用機会均等法施行、社会党土井たか子党首誕生。経済成長と女性の社会進出がこの頃のトピックスだ。そして87年には土地や証券の投機が活発化してバブル経済が始まり、日経平均株価は2万円台に突入。安田火災がゴッホの「ひまわり」を53億円で落札、国鉄分割民営化でJRグループ発足。88年には青函トンネル・瀬戸大橋開通、東京ドーム完成、ダイエーがホークス、オリエントリースがブレーブスを買収。日産シーマ発売、リクルート事件など、バブル化があらゆるところに波及している。89年は昭和天皇崩御で「平成」となった年。消費税スタート、任天堂ゲームボーイ発売、横浜ベイブリッジ開通、日経平均株価は史上最高値38,915円をつけた。
 この社会情勢は、OLの財布に当然直結している。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、1980年に10万8700円だった大卒女子の初任給は、83年には12万4100円、89年には15万5600円と、毎年3〜5%ずつ上昇している。同統計から25〜29歳大卒女子の実質給与をみてみると、83年15万8000円、89年19万4000円。つまり、83年に新卒入社して初任給12万円でスタート、毎年1万円程給与のベースアップがあり、28歳には給料が1.5倍の19万円になっていた、というイメージか。前々回、「月いくらの収入を望むか」と問われたOLが「現在の2割増」と答えていたことを取り上げたが、この頃だと2割程度は2,3年働けば自動的に増えていたわけである。
 景気上昇、イケイケGOGOの時代に突然突入した日本ではあるが、果たしてOLはといえば、「お金というのは、使うもの」という、お嬢さん感覚の持ち主である。まだバブルの恩恵を意識していない83〜84年頃の女性誌は、旅行、クッキング、インテリア、結婚など、“嫁入り前の女の子”向けの記事が幅を利かせている。『an・an』83年5.20号、TDL開園に寄せられたコラムでは、園内の飲食物持ち込み禁止にやけに反応していて「お弁当を持っていけない遊園地なんて」との文句が。そっか、遊園地デートには、彼女がお弁当作っていったんだっけ。まだまだかわいい女の子が、はからずもバブルの渦にもまれ、さらに雇均法で職業意識も急激に芽生えることになったこの時代。彼女たちのお財布には何が待ち受けているのか。つづく。(神谷巻尾)

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