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2010年11月29日 (月)

香山哲さん・小林銅蟲さんイベント報告「アングラまんが道」

 イベントの報告なのにうっかり写真を一枚も撮っていない。
 でも、ネイキッドロフトは昼なのに暗かったから、写真を撮っても(言い訳)。
 暗いけど、30人程度は人が来た。
 ふたりの新刊イベントだ。

 目玉は小林さんの描いた漫画を一枚ずつパソコン上で繰っていって、香山さんが色々つっこむという大変新しい試み。流しで読んでいたら全く気がつかないところに説明が飛んでいって、15ページ程度の漫画なのに30分くらいかけて読んだ。漫画を皆で囲んで読む。小学生男子がガスストーブ前に丸く陣取ってやってたのを思い出す。大人がイベントでやるとこんなにも面白いんだなと思った。でも面白くするためには語り手がめざとく面白い場面や箇所を見つけなければダメなわけで、語り手が優れていないと笑いが生まれないのだけど。

 お二人とも漫画をあんまり読まないんだという。他人の作品を見ない・読まないクリエイターというのはけっこう多い。それは他人のものを見ると影響されて作品にノイズが出るからとか、他人のものはどうせつまらないと思っているからとか、そういうこととは違う。良い意味でまっすぐに興味がないのだと思う。作ることに忙しくて、見ている暇がないのだ。知り合いの小説家は「他人の物語につきあって何が面白いのか」とまで言った。言いたいことはわかる。とてもわかる。ちょっと乱暴すぎるけど。

 ただ、お二人の会話を聞いてるとコミックや作家の名前はわんさか出てくるわけで、そうなると「なんだ、読まない読まない言っててもけっこう読んでるじゃん。『読まない』の次元が違うじゃん」と言われる向きもあるかも知れない。それもきっと違うと思う。おそらくお二人は、小さい頃はかなり何かしら目にした。その助走があとのマラソンをかなり楽にしているのではないだろうか。

 たけなわになってくると、「コマジャン」の話になった。漫画のひとコマを切ってじゃんけんの札に使い、面白さを競うというもの。話には聞いていたが具体的にピンとこなかった。が、お客様の中から「今日、コマジャンのネタ持ってきたんですよ」という方が不意に現れた。ここからにわかコマジャンが繰り広げられることになる。
 予想外の出来事とはいえ、非常に面白かった。コマの切り方の妙も採点対象らしく、必ずしも一コマ全体の面白さで戦うわけではない。台詞の一部だけを切り取ったり、広告宣伝部分を切り取っただけでもかなり面白い。これは女子にはない発想じゃないかな、とふと思う。「オトコノコノアソビバ」を覗いているようで、ちょっと特権的な気分を味わえた。

 あとは質問タイム。質問は「どのようにしたらフリーで漫画を描いて暮らせるんでしょう」といった大変真面目な内容のものが多く、ちょっとびっくりしてしまった。お客様方、けっこう漫画描いてる人が多かったのね。どうやったらやっていけるのか、お二人を見ていれば、自然にわかると思いますよ。(奥山)

香山哲の電脳ブログ

ねぎ姉さん(小林銅蟲作品)

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