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2010年11月26日 (金)

OL財布事情の近年史/第10回 「OLの実家暮らし」は今や「居候」!大きく変わった自身のイメージ

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
Amazonでも予約・注文できます!

 家に入れるお金が1〜2万円、そのお金は親が貯蓄という80年代初頭のOLスタイル。それから30年、「家に入れるお金」はどう変わったか。まさにそれを調査したデータを発見した。COBS ONLINEが会員対象に2009年に実施した、「実家に毎月入れている金額に関するアンケート」である。
http://cobs.jp/ninki/column/kinsen/2009/07/12.html
 「毎月、実家にいくら入れているか」という質問に対し、一番多かったのが「3万~4万円(未満)」で29.9%。次いで「1万~3万円(未満)」で23.9%、全く入れていない「0円」が20.2%である。給与上昇率を考えれば、30年前とそれほど大きくは変わらないようだ。が、意識は相当違っている。
 「実家に月々入れている金額は安いと思うか、高いと思うか」という問いには、「安いと思う」49.8%が最も多く、「丁度いい」が43.8%。「高いと思う」は6.5%しかいなかった。「いくらくらいが丁度いいか」というと、「3〜4万円(未満)」が35.5%、次が「5〜10万円(未満)」で29.4%で、理想は結構高い。年収別の統計もあるのだが、年収200万円未満でも、20.31%の人が5〜10万円と回答しており、家に入れる金額は自分の給与額から算出するのでなく、入れるべき額のイメージを持っているようにみえる。
 そのイメージは、フリーアンサーから伝わってくる。
「実家に入れている金額(以下同)2万円/以前は6万程入れていたが、収入が半分以下になったので、少なくしてもらった。今まで育ててもらったこと、今の生活費を考えると2万は少ないと思う」(女性/27歳/年収:200万円未満)
「3万5,000円/今はまだ父親の稼ぎのほうが多いので、自分がいなくなったとしてわが家の経費が下がる分(純粋に自分のために生じている経費)のみ払えばいいと思っているから」(女性/29歳/年収:400万~500万円未満)
「4万円/月々の貯金額、携帯代、保険料、奨学金返金などを考えて、自分で決めました」(女性/25歳/年収:200万~300万円未満)
「5万円/中学から大学まで私立に入れてもらったし、学生時代はバイトもせずに部活に明け暮れ、車の免許も取らせてくれ、卒業旅行代金も出してもらい、すねをかじりまくってきたので、5万円でも足りないくらいだと思う」(女性/27歳/年収:300万~400万円未満)
 自分が大人になるまでの親の負担や家の経済状況、自分の生活費など、金銭感覚がしっかりしていることに、軽く驚いた。これも長引く不況のなせるわざなのだろうか。これらが多数意見だとは限らないが、少なくとも、使いたいだけ使って余った分を申し訳程度に母親に預けるというのは、主流ではなさそうである。
 合理的、経済的な考え方は、「OLの実家暮らし」というものを変化させているようだ。「実家にいても「居候」という認識をしてるので、お金だけでない面もできるだけ肉体労働奉仕という形でフォロー」(女性/29歳/年収:200万~300万円未満)とか、「月々とは別に、家のリフォーム代や家電製品の購入、旅行費用、帰省費用等はすべてこちら持ち」(女性/30歳以上/200万円未満)など、生活の担い手としての役割を果たしているという側面も見られる。それは嫁入り前の、家族との残り少ない日々ではなく、そのまま実家に暮らし続けるパライサイト生活の序章のように見えてうっすら怖くなる、子持ちの筆者である。
 スネをかじってパーッと使ってさっさと嫁に行くか、親思いで経済観念を備えながら、じんわりと家に居座るか。幸せはどこにあるのでしょうか、子にとって、親にとって。バブル期にOLで、平成大不況に親となり、子どもはゆとり教育ど真ん中。誇れるようなものを与えてこれなかった大人としては、こんな親に遠慮せず自力で生きていけ、と言いたいが、そこまで育てるのがまず、大変にちがいない。トホホ(死語)。(神谷巻尾)

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