不倫の連鎖
1つ凶悪殺人が発生すると、立て続けに同様の事件が続くことがある。それは制御の枠組みが事件によって外されて起こると言われている。じつは不倫も同様のことが起こる。取材で知り合った女性は、子どもの幼稚園のママ友達はかなりの人が恋愛に走っている、と教えてくれた。「バスに乗っている子どもお母さんの半分以上はいるかもね」とも。
この数値が本当かはわからない。しかし場所は世田谷の高級住宅街の一角。お金持ちも旦那さんも多く、美人の奥様も多い場所柄だった。美容やファッションにもお金をつぎ込むことができる余裕があり、言い寄ってくる男も少なくない。しかも周りのお母さんが普通に恋愛に興じているなら、足を踏み出すのも悪くないかと思ってもおかしくはない。先駆者がいれば安全な出会い系のサイトの情報が回ってくることもあるし、合コンを開くことも可能だ。
じつは日本人の貞操観念は、もともと強くはない。農村の乱交文化は明治期まで確実に残っていたし、性に対しては比較的オープンだった。歴史をひもとけば同性愛にも寛容な国だったことがわかる。
富国強兵の圧力が高まる中、国の指導の下に乱交文化は途絶えていったが、歴史的・宗教的な重圧によって一夫一婦制が支えられているわけではない。日本の一夫一婦制は何かの加減で壊れていく砂上の楼閣なのである。
たぶん、そのことを男性は知らない。あるいは認めたくないのかもしれない。妻に浮気をしてほしくないなら、仕事と同じだけの熱意を持って妻に接する必要がありそうだ(それがウザイと言われたりするのも現実だが……)。
取材した女性の多くから、女として通用するのが分かって嬉しかった、という感想も聞いた。たぶん通用しないだろうという反応を、家庭で受けているのだろう。そもそも色気がたっぷりの妻とか、想像もできないし……。
しかし母としても頑張りたいし、妻としても生きていたし、女としても手を抜きたくない。そうした魅力的な女性にとって、女の部分だけ反応がないのをけっこう辛いのだろう。
いずれにしても、近年の雇用と同様、自身の結婚生活がさして安泰でないことを、夫たちは肝に銘じておく必要がある。個人差はあるにしても、自由に恋愛している仲間ができれば、時に男性が風俗に行くようほど簡単に恋愛が始まるのだから。(大畑)
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