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2010年10月15日 (金)

OL財布事情の近年史/第4回 残業ゼロ★アフターファイブ充実☆80年代OLゆとりの生活

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
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 前回に引き続き、『MORE』 1980年2月号「25歳の月給袋」をとりあげる。
 この記事では、50人の25歳の月給明細を一覧表にしてのせている。
 最終学歴を見ると、「高卒7人、短大卒15人、専門学校卒3人、大卒22人、大学院1人」と、短大の多さに時代を感じる。今となっては消滅の方向にある短大だが、当時は花嫁修業的な位置づけだったのだろう。今なら「手に職」の専門学校が役目を変わっていそうだ。

 平均給与は、11万5000円と、統計に近い数字なので、信憑性は高そうだ。勤務先を見てみると、ブティック、デパート、商社、銀行、建設会社など、いわゆる「業種」が並ぶ。仕事内容は、一般事務が圧倒的で、看護婦、教師、販売、編集など、職種が書かれているのはほんの数名。医師も弁護士も、もちろんキャバクラ嬢もいない。企業に就職し、事務の仕事をするのが、25歳女性の平均像のようだ。雇均法で「総合職」が出来る前は、補佐的な「一般職」が一般的で、コピー取りやお茶汲みが仕事だった。「手に職」の概念はなかったといえよう。
 
ほとんどがそうした平均的な働き方だからか、50人いても給料はそれほど幅がない。本給(基本給?)と加給や超過勤務手当を合わせて10〜15万円ほど、控除額合計が2〜3万円、預金が1〜3万円程度で、手取りが10万円前後、というパターンが圧倒的だ。
 2010年の記事では、残業が20〜50時間、残業代5万円以上の女性がゴロゴロいたが、こちらをみると「2,337円」とか「5,436円」とか、1万円に満たないのが主流で、編集プロダクション、芸能プロダクション、放送といったあたりでようやく2〜3万円。最も高いのが4万6551円だが、こちらは看護婦である。
 いわゆる「9時5時」のOL生活。男女格差がひどすぎる、ともいえるが、そういう生ぬるい雇用を続けられた、いい時代でもあったといえよう。この未曾有の不況の中じゃ、一般事務を正社員で雇い、残業も一切なしなんて、夢のような話じゃあないか。30年前のツケが、今の不況を招いた、ともいえるわけでしょうけどね。

 後半、4人のサンプルが登場しているが、「割とパーッと使っちゃうほう。だから計画的に貯金はしてないんですね」「夏期のボーナスでは沖縄に行って、50ccのバイクを購入してきれいに使い、冬期の分でハワイに行く予定」といった享楽派、「20歳から毎月5万円は必ず貯金。彫金を習い、将来自分の趣味を生かしたお店を持つ」「夢はイギリスに留学すること。英会話の学校に通いやすいように、時間の融通がつき通学にも便利な職場を選んだ」という夢の実現をめざす派、とどちらもいかにもあの頃のOL的である。つまりは、余裕ある時代だからできる生活スタイルなのである。うらやましさにキリキリする未来人がいるんだよっ、と30年前に向かって叫びたい気分である。(神谷巻尾)

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