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2010年9月16日 (木)

靖国神社/38回 この夏おばけが熱い!〈2008年7月取材〉

 夏が暑いのは当たり前だが、私の中のお化け屋敷熱のホットさといったら尋常ではない。そもそも怖いもの嫌いでお化け屋敷なんてもってのほかで、ホラー映画なんて見た日にはトイレに行けない……なんていうのは遠い昔のこと。今年のこの企画のために鍛えた。あらゆる恐怖に次ぐ恐怖を体験し、今ではちょっとの怖さぐらいならばたいしたことなく思えるまでに成長した。
 で、お化け屋敷である。みたままつりの風物詩といえば、提灯、つのだ☆ひろのライブ、一日中続く奉納芸能だと思っていたが、毎年行くたびに気になっていたところではあった。
 軽くお化け屋敷の歴史を書くと、天保元年(1830年)に、瓢仙という医師が自宅の庭に小屋を設けて壁や天井に化け物の絵を描き、人形を置いた屋敷を作ったのが起源とされている。どうやらそれは3ヶ月くらいで撤去させられたそうだが、きっと当時は斬新だと思われたに違いない。さらに調べると、遊園地内にお化け屋敷が造られはじめたのは1950年代半ばから60年代にかけてだそう。
強気な入場料

 さて、靖国に話を戻して。隣に出している見せ物小屋はすでに取り上げた。「今日見逃したら明日は見られないかもしれません」のせりふに誘われフラフラ~っと入った気が。しかし、お化けは見て見ぬふりをしていた。 しかし今年は思い切って編集部の面々を誘って行ってきた。メンバーは、古参編集部員と新人女性編集部員の3人。古参編集部員に関しては、「お化け見たーい」とうるさかったので参加メンバーに入れた次第。
 午後16時半。夕方近くにも関わらず、夏真っ盛りということもあって暑いし明るい。太陽がさんさんと照らしている中でお化けというのは味気ないし、雰囲気に欠ける。それに、このお化け屋敷はどうみてもベニヤとビニールシートと少しのぬくもりでできているとしか思えない。いくら頑張って設営したとしても少しの隙間からでも日が射しこんでしまいそうだ。ついでにいうと、設置場所は大鳥居を抜けてすぐ右に曲がったところの奥。木で覆われているから少し暗いものの、葉っぱの緑色がさわやかさを演出し、健全に見えてしまう。
 とりあえず外観をじっくりと観察し、入り口に近づいてみると、生首3つと口から血を出した人形が「アロハー」とお出迎え。今年のテーマは「四谷怪談」だそうで、昨年は「ゲゲゲの鬼太郎」だったそうだ。
 入場料は大人一人500円と結構高めの料金設定。入口から出口までに約50分を要するお化け屋敷と同じ値段である。
 受付のおばちゃんのスラスラと年季の入った口上スキルに魅せられ(魅せられなくても入るが)入場料を払う。
 おばちゃんお金を受け取り、「3名様入ります。両手に花でいってらっしゃい」と言ったあと、頭上の鐘をゴーン。あまりにも突然、前振りなく鳴らすものだから全員で「ギャーッ!」。まだお化けいない。中に入ってもいない。
 ひとしきり驚いたあと入場。直後にお人形がお出迎え。お化け側の先制攻撃に、記録チーム再び「ギャーッ!」。
 中は真っ暗、妖しく辺りを照らすブラックライトの青い光が行ったことはないがクラブ(踊るほう)っぽい……などと思っていたら前から、ベニヤをバンバン!と叩きながら「ガァーッ!」とシーツのようなものを着て、顔は映画『スクリーム』に出てくるマスク(ムンクの『叫び』のあの顔に似た感じ)をつけたお化け登場。威嚇音が聞こえているにも関わらず「ギャーッ!」(三重奏)。大人三人がそろって大声で叫ぶ。目の前にジェイソンが現れたときのよう。私の脳裏に、叫んでいる女優の顔が浮かんだのは言うまでもない。
 さらに先に進むと、広い空間にたどりつき、真っ暗でまわりがよく見えない。進行方向もわからずとにかく手探りで道なりに歩くと外に出た。
 外に出てほっとしていると、ひゅーっと頭上を何かが駆け抜けた。たぶん生首。馬並みの速度だったため、実はよくわからないがきっとそうだと思う。しかし、この安心した瞬間に何の前触れもなく驚かされるのは、暗闇のお化けよりもタチが悪い。後ろを振り返ると、入り口のおばちゃんが何事もなかったようにヒモを何かにくくりつけていた。おばちゃん、タイミング良すぎ、いい仕事してるぜ。

 気を取り直して、再び中に入ってすぐお化けの奇襲。このお化け、驚かせたあと「どうぞ」という風に先に進ませる。紳士なお化けに編集部員一同、「どうも」と先に進みほっとした瞬間、後ろからお化けが「わ゛ーーー!」。編集部員「ギャーッ!」。これが数回続くわけです。   
  「わーっ!」→「ギャーッ!」→「どうぞどうぞ」→「ほっ」→「わ゛ーっ!」→「ギャーッ!」のループ。ずっとお化けのターン。アイツラ……。
 ヤツらがいるのはわかっている。そこを曲がれば出てくるのはわかっている。だけど驚いてしまうのがお化け屋敷クオリティ。 
 そして2回目のお外タイム。そこでもまた頭上を何か(たぶん生首君2号)が駆け抜け「ギャーッ!」。いい加減、学習しろ。
 意を決し、再び中にはいると、「あの人について行こう」という声と同時にかばんが重たくなった。どうやら入り口付近で固まって怯えていた小学生の女の子たちにかばんのヒモを掴まれたようだ。
 しかし、入った瞬間、お化けが「わ゛ー!」と出てくると、少女たちはパニックになり、ギャーギャーいいながら私の周りを回るだけ回って外に出て行ってしまった。 
 取り残された私、かばんのヒモが足に八の字で絡まって動けず涙目。どうしたらこんな絡み方するんだよ。
 さらに、ついてこない私を心配した編集部員が、「奥津さんが行方不明だよ」と探しに来て「大丈夫?」と腕を引っ張るも動けずさらに涙目。       
  「ちょwwwムリwww動けないwww」とかいっていたらさっきのお化けが助けてくれた。「ありがとう、王子様」なんてうっとりするが、顔はゾンビ。ムードなんてない。しかも、振り返るとついてきている。気配消すな。 行く前はバカにしていたが、かなりおもしろかった。ただ怖いお面をかぶって驚かせているだけなのに、なんであんなにビビッてしまうのだろうか。普通に回れば5分もかからないであろう構造だが、軽く20分くらいは楽しめる。そう考えると、500円は結構安い。おばちゃんもお化けもいい仕事をしていたので、お化け屋敷はおすすめだ。要健康体が条件だが。

 お化け屋敷を出たあと、興奮を冷ますべくかき氷を食べ、恒例である朝青龍のぼんぼりを見に行った。今年の朝青龍、驚くことに漢字をやめたのである。毎年、彼の漢字を見るのが楽しみだっただけに残念。
 お化け屋敷は楽しかったが、目玉の朝青龍ぼんぼりににがっかりしながら靖国をあとにした。(奥津裕美)

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