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2010年8月16日 (月)

縦書きコンテンツの限界と電書フリマ

 InDesign内の機能を使って電子書籍を作ろうと試行錯誤、いや七転八倒していたら、一つのことがわかった。作れない、ということが。いや厳密には作れるのだ。でも、未だにTVのつなぎ方すらわからない私にとっては難しすぎる、「縦書きで作る」ということが。
 「そんなの縦書きで作ってPDFに書き出せばすぐじゃん」という向きもあるかもしれない。でもパソコンの中の人は誰も、それに本っぽいパーツ(めくる機能とか付箋とか書き込みとか)をつける方法を教えてくれず、無料で提供してくれる親切な人もいない。でも、ちょっと考えると、ブラウザで本を閲覧する時って縦書きよりも横書きの方が便利なのだ。ブラウザのサイズが小さい場合、縦書きのものを快適に読むには1行ずつ上下にスクロールしながら文字を追わなければならないからだ。縦書きの電子書籍を購入してみればわかることだけれど、行数がけっこう短い場合が多いのはそのためだろう。四六判の縦書き本を家庭用の小さいスクリーンで読もうとすると、慣れるまでけっこうつらい。それであきらめてリアルな書籍の方を求めてくれればとても嬉しい。

 そういう事情も考えると、横書きのコンテンツしか作れないことってそんなに不利にはならなくなってくるのかな? とも考える。横書きの電子書籍と聞いて、ある光景が頭に浮かんできた。今年7月8日に行われた「電書フリマ」だ。

 「電書フリマ」は「電書部」という団体の活動で、決まった日にイベントをもうけて電子書籍を対面販売するという試みだ。せっかく電子書籍なのにネットで買えないの? と思うかもしれないが、やはりイベントを開くことが電子書籍の営業にとっては第一歩なのだなと思い知らされる。ネットで売っているだけでは、埋もれるのだ。
 にしても盛況だった。ただでさえ広いとは言えない渋谷のコラボカフェで、ひしめき合うようにしながら購入の順番を待つ列に、汗だくで並んだ。「文学フリマ」とけっこう客層がかぶるかな、と思われる10代~20代の男女がたくさん。100円、200円といった格安の電子書籍が次々と売れていく。10冊まとめて買うと1000円というから、かなりお得だ。

 早速家に帰って読んでみた。購入は、その場で購入する本の番号を売り子の方に申請し、自分のメールアドレスにダウンロード用URLを送ってもらうという仕組み。PC用、Kindle用、Ipad用とある。PC用をダウンロードした。

 読んでみると、これが横書きなのだ。少なくとも私が購入した書籍はオール横書き。シンプルなつくりで、う~ん、これだとPDF資料を読んでいるような…気持ち?? と、失礼ながら思ってしまった。KindleやIpadならめくる機能も使えるのだろうけれど、私の環境にはそれもなし……。紙面を工夫することの大事さを思い知らされる。
 そして横書きだと、そしてパソコンに向かっているからこそ、どうしても無料コンテンツであるHPやブログと比べてしまう。「ブログ記事をまとめた」という電子書籍が多かったが、ブログが出版媒体になるという「記念」的な意味のあるリアルな本よりも、オトク感は出にくいのではないか。

 寝っ転がっても、お風呂でも、いつでもどこでも楽しめるのが本で、PCは端末ありき。それだけが簡単に見つけられる「本とWEBのちがい」だったのに、本の背後にインターネットがいつでも控えている状況で、果たしてエンタメとして打ち勝つことが出来るか。接近戦の予感に、頭が朦朧としてきた。(奥山)

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