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2010年7月16日 (金)

冠婚葬祭ビジネスへの視線/ラスト・ホテル、略して「ラステル」って?

 横浜に、葬儀業界のみんながきっと「あったらいいのに」と思っていた施設が誕生した。
 その名も「ラステル久保山」。故人を斎場へとお送りする前に一呼吸置き、関係者が葬儀についてじっくり考える時間を提供するというのがコンセプトだ。

 最近は自宅を介さず、病院からそのまま斎場に安置するケースが増えてきている。自宅が狭い、借り住まいだ、近所の目が気になる、等々の場合と、葬儀を営まずに火葬だけ済ませたい、「直葬」を望む場合だ。ただ、ここで一点問題が生じる。病院の霊安室からは、すぐに出なければならない。火葬場に直行するにしても、安置場所がない施設には留まれない。死後24時間たたなければ火葬はできない。この空白の時間をどう過ごすか。

 結局、急いで病院を出るため、よく吟味せず選んだ葬儀社に付属斎場への搬送をお願いしたり、そのままなし崩し的にそこで葬儀をしたりする。とにかくせわしなく、終わった後に「これで良かったのか?」と自問する確率の著しく高い大事な儀式にもかかわらず、施行者を選ぶ時点でつまずく可能性がかなり高いのである。

 もっとゆっくり考えられる場所があれば。

 それからの段取りをしばらく考えなくてすむ場所があれば。

 そんな要望にこたえて誕生したのが、この「ラステル久保山」だといえる。

 葬儀も精進落としもできる体制が整っているとのことだが、一番の役割が「安置所」である施設ができたのは、日本初ではないだろうか。(小松)

ラステル久保山http://lastel.jp/

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