新連載!残る女子大、残らぬ女子大 第一回 共立女子大学
九段下駅に降り立つと、渋谷などの繁華街に立地上近いにも関わらず、なんとも落ち着いた雰囲気が漂っている。皇居や九段会館、靖国神社など由緒正しい日本の名所と、ところどころに見える古ビルやアパートなどが混在しているせいだろうか、複雑且つ味わい深い街、という印象だ。
そんな中に共立女子大学は建つ。付属の中高と共に、本館、1号館から7号館、共立講堂を神田一ツ橋キャンパスとされ、家政学部、文芸学部、国際学部の3つの学部を置く。まずは、家政学部の授業が行なわれる事が多い3号館の方へお邪魔した。
学生の印象は総じて「癒し系」。児童学科など、実践的な授業が多い学部の特性だろうか、最近の女子大生イメージとは少し違う貴重な女の子たちが多い。髪はほぼ黒髪、巻き髪や明るい茶髪・アクセサリーはあまり見られない。ジーパンやすっぴん、ヒールなしの靴などがメジャーであり、世間の女子大とは異空間と言えるだろう。館内も淡い雰囲気であり、自身が通っていた幼稚園を連想した。
「家政学部の女の子はかわいい系、文芸はカジュアル、国際は少し派手」と共立女子を一言で表すのは、話を聞かせてくれた国際学部の3人組。ゆったりとした空気の3号館を出て、本館にお邪魔した時に目についたTHE女子大生という3人である。本館は国際学部、文系学部の生徒が多いせいだろうか、「女の子」という外見を意識、作りこむ手間をかけているという、「日本の女子大生」がぽつぽつと見られ始めてきた。3人はサマンサタバサやコーチのバックを持ち(しかしここでもルイヴィトンなどのハイブランドがあまり見られない点は、やはりこの大学の特徴を表しているのだろうか)、休日に撮ったというプリクラを眺めながら共立女子大について語ってくれた。
「うちは生徒のタイプも幅広いし、内部と外部の差もあまりない。居心地がいいですね」なるほど、お話を伺った食堂にも化粧をしている人、DS対戦をしている人、辞書を広げている人など多種多様である。しかしやはり、全体的にnon-no系の服装、暗めの髪、リュックを背負い、教授や授業の話に花を咲かせているのを見ると、「まじめなお嬢さん」という形容がぴったりである。
「1年生からゼミで専門分野を決めて勉強できます。課題やテストは、教授によるけれど、大変なものは皆必死でやります。うちの名物教授はクリスチャンディオールと呼ばれる男性の教授。クリスチャンディオールの略ってCDでしょ。その教授は厳しくて、単位が「CとD」しかくれないから(笑)」と女子大生っぽい話を聞かせてくれた。
こちらの本館は、一見都会のビルという外観である。屋上庭園に上がると、有名出版社や立ち並ぶオフィスビルが一望できた。下に下りると食堂。うどんが280円、ラーメン・カレーが400円など平均的な価格設定である。ホテルのようなロビーには、沢山の留学案内、講演会のビラが目に付いた。「共立アカデミー」という冊子を手にとってみると、TOEIC講座から始まり、ミュージカル鑑賞講座、マナー講座、ヨガ、カラーセラピー、秘書検定講座などあらゆる正課外講座の案内であった。将来の進路決定や生涯学習などを意識した充実したラインナップであり、人気も高いという。
かざらない、自然体な生徒たち。東京の「女子大」の枠にあまり当てはまらない彼女たちと、そんな彼女たちを迎えるしっかりした校舎。そんな共立女子大を表すと「質実剛健」。地に足がしっかりついている女子大、という印象を受けた。(三条あゆみ)
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