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2010年3月 2日 (火)

アフガン終わりなき戦場/第30回 触らぬ神のたたりなし(1)

 2月2週目から南部ヘルマンド州において米軍による大規模掃討作戦が始まった。昨年も同時期に4千人規模による同様の作戦を行ったが、今回は同地に長期間留まることを目的にしているようだ。
 17日にはタリバンの拠点と言われているマルージャを制圧したが、子供を含む多数の民間人の死者が出たとの報道があり、アフガニスタン中で批判が高まっている。
 けれど、流れてくる記事の中に気になるものが一つあった。
 仏AFPは13日付の電子版で以下のように伝えている。

 タリバンは、非戦闘員に発砲してはならないという連合軍の規則を逆手に取っており、アフガン国軍の指揮官は、「女性や子どもを家々の屋根の上に立たせ、その背後から銃撃してきた」と話した。また、国軍兵士らも、銃撃戦に巻き込まれて負傷した民間人らを目撃したと証言した。

 まあ、下手な嘘をつくものだ。タリバンが女性や子供を「人間の盾」にしているというが、これは天地がひっくり返ってもありえない。
 別にタリバンを擁護するわけではない。タリバン、むしろイスラム教徒として絶対にありえないことだからだ。イスラム教において戦闘員は成人男子のみと定められていて、それ以外は戦闘に参加することを許されない。それを盾にするなんてことは、イスラム教の原点回帰を目指すタリバンのメンタリティからいってほぼ100%無いと言っていいだろう。
 けれどあなたは「戦争中のことだ。宗教上の教えなんて無視されるのではないか」と言うかもしれない。けれど、ところがどっこいなのである。

 イスラム教という宗教は食事のとり方から、借金の仕方まで事細かな決まり事のある宗教だ。イスラムの特徴として研究者の井筒俊彦は自著でこう述べている。

 「イスラームという宗教では聖なる領域と俗なる領域とを、少なくとも原則としてはまったく区別しない。(中略)これがわれわれですと、例えば葬式や法律などは坊さんにやってもらいますが、ふつうの日常のことは自分で勝手にやる。イスラームではそんなことはありません。生活の全部が宗教なのです。(『イスラーム文化 その根底にあるもの』 岩波文庫)」

 つまり、生活の全てが神に尽くす神聖な道なのであり、結婚の仕方も、戦争の仕方も、全てが神の意志としてコーランで指示されているのだ。これに反することはすなわち、イスラムの敵となるのだから、サラフィ主義のタリバンは絶対に逆らえない。宗教によって禁止されている女性や子供を盾にするなど、彼らにとっては思いもつかない卑劣な行為なのだ。
 イスラム教徒の人たちと接していると分かってくるのだが、彼らの善悪の判断基準や世界観は全てコーランに依存していると言っても、過言ではないように思う。タリバンに限ったことではなく、イスラム教徒は死後の世界が「こういうものだ」とはっきり言うし、何が正義で何が悪かという基準をしかと持っている。自分たちが正義だと思う物には命をかけるし、悪だと思うものには頑として戦う。(白川徹)

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