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2010年2月15日 (月)

鎌田慧の現代を斬る/第139回 小沢の黒さが目立つ民主党

 民主党は小沢一郎幹事長の政治とカネのスキャンダルを抱えたままで、思い切った政策を打てない状況にある。検察は小沢幹事長を起訴しなかったものの、彼の資金管理団体「陸山会」への政治献金のうち4億円が政治資金収支報告書の記載ミスであったことはまちがいない。すでに秘書だった石川知裕衆議院議員も逮捕。離党した。
 この一連のスキャンダルを、検察の横暴という意見がある。たしかにそうだ。しかし小沢幹事長が有罪か無罪かという問題とは別に、かつての野党の指導者で、いまは与党の中枢にいる人物が、田中角栄、金丸信と同体質の古い政治力(カネと軍団)によって権力を握ってきていることが問題なのである。

 民主党が戦後日本を支配してきた古い政治構造「政官財融合体質」から脱却し、新しい民主政治にむかうとしているなら、小沢支配から脱するのが最善の道である。自民・公明連合政権がスキャンダルにまみれて崩壊したし、それに合わせて立ち上がった新政権が手袋の裏返しのような同じ形では、今後、選挙民の期待に応えることはできない。このままでは、夏の参院選でどれだけの議席をおさえるられるかがあやしくなっている。
 ところが民主党は党首と幹事長の疑惑にフタをしつつ、党内に「捜査情報の漏えい問題対策チーム」を設立して、検察とマスコミと癒着をただすと鼻息も荒い。
 政権がマスコミにたいして影響力を発揮するなどやっててはいけない。とくにテレビ局は総務相が許認可権を握っており、政治的圧力に弱い。安倍政権時代には、NHKに圧力をかけて番組を改ざんし、ついにはプロデューサー、ディレクターを追いだしてしまった暗い歴史がある。それを繰り返してはならない。
 小沢とカネの問題について、検察のやり過ぎという問題はある。しかし秘書とそれをとりまく業者の関係が旧態依然であったことが火種となっている。もっと早くからあやしい関係を打ち切るべきだったのだ。

 千葉景子法務大臣は検察の捜査を止められる“指揮権発動”をにおわせた。「一般論として指揮権というのはあるわけで、(発動が)絶対ないということはない」というのは、「一般論」と断っているが穏やかではない。
 また、民主党内には指揮権発動を求めるとも取れる動きもあったようだ。しかし、指揮権発動は戦後ただの一度しか実行されておらず、問題が大きすぎる。新しい政権が実行するなどありえない。ただ民主党議員が、そうした行動を願っているところに、党首と幹事長の闇の深さを感じる。
 いまこそ民主党は、独自外交の拡大、福祉政策の拡充(労働者・老人・女性にたいする優しさ)、政治のクリーン化という3つの柱を明確に掲げて、自民党政治からの脱却を目指すべきだ。清新の気がなければ、こんご支持率がもち直すこともないだろう。
 ここ最近、連日のように報道されているのがトヨタの「斜陽」と、日航の「墜落」(沈む太陽)である。

 日本航空の破綻原因が放漫経営だったはまちがいない。以前、日航の幹部に取材して、「こんな海外にホテルつくってどうするんですか?」と質問すると、「ダメになったら売ればいいんだ」という答えが返ってきた驚いたことがあった。
 親方日の丸のナショナルフラッグカンパニーとしての傲慢さと、労務管理でいじくり回して労働者を萎縮させてた結果ともいえる。組合の力をそごうとした分裂政策も、結局、裏目にでた。
 路線は拡大し、ホテルもどんどんつくり、ジャンボジェット機も大量に導入した。それがいまや一転、縮小へと舵を切った。拡大から縮小への大転換である。トヨタのゴーマンと同じ、日本の拡大路線の反省である。本当の繁栄とはなんなのかを、じっくり考える時期にきた。(談)

全文は→「1002.pdf」をダウンロード

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