ドーマン法に生きていた私~脳性まひ者の告白~/第18回 オリンピックでも目指せと?
ドーマン法の理論を端的に言うならば、正常な赤ん坊の発達段階をもう一度辿ってやり直してみよう! という極めてシンプルな理論なのです。“脳”という繊細かつ複雑なメカニズムに、このような単純な理論が通用するとは思えないのですが、しかし“シンプルイズザベスト”という言葉が時に問題解決において重要な働きをしてくれることも否めません。
徹底的に赤ちゃんの工程からやり直す…つまり、腹這いやハイハイを気が遠くなるほど繰り返し、正常な腹這いの仕方をインプットするべく博士が開発したパターニングもあやしいリハビリだと言えば、大概あやしいのですが、正常な発達を辿っていくという点においては、まだ一理あるかも?と、どこかで頷いてしまいます。
でも、ドーマン法のプログラムの中には、驚くべきことに機械体操の床運動や平均台やトランポリン、クラッシックバレエなどが織りこまれていくのです。
そもそも、まともに歩けないから、学校にも行かず訓練に明け暮れているというのに目指せ!! 池谷幸雄ですかぁぁぁ???? ヒョェ~~何かが違うんじゃ…。
さらに研究所は、これらは『習いに行け!』つまり、習わせろ!と言い放つのです。
普通は、ここで「ちょっと待って下さい。」とつっかかりたくなりますよね。
なんたって莫大な診察代をドーマン研究所に支払っているのですから。
勉強についていけないから塾に通わせている子に、塾の先生から突然『お宅のお子さんに今日から算数の家庭教師もつけて下さいネ』と言われるようなものです。おかしすぎますよね!!
基本的にドーマン法は、セラピストではなく親がトレーナーになって日々のプログラムを消化していくのが鉄則なので端から特殊なのですがね。つまりバレエや機械体操なんぞ親が教えられないでしょうから「習いに行きなさい」ということなのでしょうが…。
年に2回、親子揃ってスタッフの診察を受け、新たなプログラムメニューを組んでもらい、その際、指導のポイントやゴール達成までの目安段階などをスタッフから親へ伝授するという独特の手法なのです。スタッフが子どもの状態にあったメニューを作りだす、まさにこれだけの為に高い治療代を支払っているようなものなのに、ある程度のレベルに達して、赤ちゃんの工程から徐々に人間らしいメニュー「水泳」「バレエ」「機械体操」へ移行し始めると…スタッフの口から発せられることと言えば『いい感じの伸び率です。かなり運動年齢レベルも上がってきましたので、今後は新たにバレエと体操を習わせて下さい。○○時間はクラッシックバレエで○○時間は床運動の時間に充てて下さい』とオリンピック並みの練習時間を言い放って診察終了! って…そんなのアリですか???って思いません?もはや習いごとの範疇ではございません!!(笑)
ウチの親はさほど不思議そうでもありませんでしたが…でも…私の中ではウサン臭さがこんなに炸裂してるのに「パパとママは、どうも気付いてなさそうだぞぉ…ウチの親、大丈夫なのかしら?」と不安に感じつつも、一日中ジャージ姿で家のカーペットの上を這いつくばってる少女にとって、習いに行くという行為が唯一、まともな服に着替え、からまりまくった髪に櫛を入れられ、外の空気を思いっきり吸えて、母親や家族以外の人と触れ合える貴重な貴重なヒトトキだったので、あえて矛盾に気づかぬふりをするのに大変苦労していたんですョ~。ホホホ。(大畑 楽歩)
楽歩さんのブログはこちら→ http://ameblo.jp/rabu-snoopy/
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