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2010年1月 8日 (金)

ドーマン法に生きていた私~脳性まひ者の告白~/第16回 CO2??

 盆と正月すら関係なく、学校へも行けず、ただひたすら365日、延々と繰り返される訓練生活の毎日。
「気がついた時には、すでにそんな環境に置かれてしまっていた…」私には、そんな感覚だったのです。
 それでも、ただ一つ明確だったことは、この異常な生活を強いられている目的は、私が障害児から“健常児”へと生まれ変わる!ただそのためだけに家族全員が犠牲になってしまっている、ということでした。
 好きでその道を選んだ現役のスポーツ選手ですら、オフ日もあれば、お正月の三が日ぐらいはプライベートな時間は保証されていることでしょう。何よりもそれは「自分の意思で」選びとった選択なのですから多少の犠牲や苦労は厭わないはずでし、ましてや家族までもを巻き込むという悲惨な事態にはならないはずです。
 私のモチベーションが底辺に達してきたと感じると、いつでも両親は『あなただけじゃないのよ。ほら世の中の立派なスポーツ選手達はね…… ほらほらあの金メダリストだってね………』と長~いお説教が始まるのですが、そんな話を聞かされてもモチベーションが回復する訳がありません(笑!)それどころか行き場のない憤りを感じ、どうにもこうにも身の置き所がなくなっていくだけでした。
 ≪そもそも私は好きで障害児になったわけでもないし、そりゃ五体満足にこしたことはないけれど、健常児がなんなのよ! ちょっと、そのいい方は差別もいいとこじゃないの!! だいたいね、あなたたちだって、いつ何時“障害者”になっちゃうかもしれないのに、何ぃよ~その上から目線はぁぁぁ!!!!!!! ほんまに腸煮えくりかえるっちゅーねん!! 健常なら幸せなんやったら、世の中もっとハッピーになってるでしょうがぁぁぁ~!! 私が目指したいのは、健常者やない。そりゃなれるもんならなりたいよ。でも無理なんやもん。いいやん障害者でも。なんであかんの???≫

 とお説教を受ける度、この思いはより強くなっていくばかりでした。このことは何度も両親に訴えてきましたが、いつも答えは同じでした。『あほちゃうかおまえは。世の中のことをわかってへんだけや。逃げてるだけや!』と…。若干8歳足らずの子どもが、父親から上から目線で、こう怒鳴られたら口を噤んでしまっても仕方ありませんねー。でも私は、尚も心の中では≪そんなことあるかいな!逃げてるのはパパの方でしょうがぁ~!!≫と思っていたんですけどね。(笑) 見た目とは裏腹(?!)に随分と気の強いムスメなのでした。

 おっとプログラム紹介を忘れるところでした。ドーマンのプログラムはどれも奇抜なものばかりですが、いまだに私の中でも謎のプログラムがあります。それは生理面のプログラムなのですが、その当時、開発されたばかりの研究プロジェクトで、試験的にとりいれられた「CO2」というプログラム。
 二酸化炭素20%と酸素80%を混合した特殊ガスを1分間吸うという非常に怪しげな訓練なのです。特に害も無かった気がしますが、メリットも…???(笑)ただ臭かったという記憶しか…残っていませんねぇ~(大畑 楽歩)

楽歩さんのブログはこちら→http://ameblo.jp/rabu-snoopy/

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