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2010年1月 1日 (金)

ドーマン法に生きていた私~脳性まひ者の告白~/第15回 呼吸の機械

 あけましておめでとうございます!
 2010年のトップページを私の「ドーマン法」でかざってもよろしいのでしょうか?!
 この上なく恐れ多いことです!! どうぞ皆さま本年もよろしくお願いします。

 去年から引き続き、生理面のプログラムについてご紹介して参ります。
 元旦を飾るにふさわしいプログラムを…と考えても出てくるわけもないのですが、なかなかの大がかりなプログラムということで「呼吸の機械」についてご説明していきましょう!

 「呼吸の機械」といっても医療機械ではなくて、ドーマン博士が開発した呼吸パターニングを指すものです。「正」と「負」それぞれ種類の違う2パターンの呼吸パターニング法があり、私がプログラムに取り組んでいた頃は、機械で行えるものと、パターニングのように人の手で行わなければならない呼吸パターニングと2種類ありました。
 日ごろの呼吸のレートを図り、機械の場合はレートを入力し、あとは誤差が生じていないかチェックするだけ。手動の場合はレートに合わせ一定のリズムを図る為、メトロノームを使用していました。手動の呼吸パターニングの場合、人手が2人必要でしたが、通常のパターニングの場合は人手を3人要するとはいえ、1回5分間を15回程度のセクションに対し、呼吸の機械は1日に8時間ぐらい消化することが求められるのですから、2人をこれだけの時間拘束するのは至難の業です。私たちファミリーはこの局面をどう乗り越えたかといいますと、実は研究所には内緒で、ドーマン法の先輩で手先の器用なお父さんがお作りになった、機織り機の様な形をしたパターナー一人で行える手動マシンをお譲り頂き乗り切りました。これを使いますとパターナーは一人で機織りをしているかの如く手と足を動かして、眠気を誘発させるメトロノームの音にメゲズ、ひたすら単純作業に耐えるだけ。(笑!)母はだいたい再放送ドラマを楽しみにしながらおこなっておりました。

 一方で機械の方は、これまた奇奇怪怪で、先ず宇宙スーツのようなビニール製のワンピースを着用します。必ずうつ伏せの状態で行う為、お腹の面には板を(ワンピースの中に差し込み)背中部分には亀の甲羅のような堅いアーチ型の網をスーツの中にいれ、首・手・足の部分から空気が外へ逃げないようにマジックテープやクリップなどを駆使して密封します。そして音も形も掃除機のような呼吸の機械をホースでスーツの背中(のジョイント部分)にはめ込み設置完了!! となる訳ですが、一回入ってしまうと、ちょっとトイレなどとは言い難いぐらいセッティングに手間ヒマがかかりました。今はどのような形でこの「呼吸パターニング」が処方されているのかわかりませんが、私の時は、一時昼も夜もこの機械に入っていた時がありました。そうです! 睡眠中もプログラムしていたというわけです!! アンビリーバボォですよね?!

 だいたいこの機械、スイッチを入れると掃除機以上の大きい音を出すんです。一軒家だった我が家でも特にシーンと静まり返った夜中などは騒音と振動とが家じゅうに轟き渡り、ご近所迷惑から苦情がきちゃうんではないか?と気がひけたものでした。
音の問題もさることながら、入っている本人は朝まで寝がえり一つ打てないんです。脳性麻痺児は呼吸が上手く行えないことから様々な障害が生み出されているのは事実なのですが、しかし、私の体験から言えば、呼吸が楽になるメリットよりも、一定の姿勢を強要され、かつ圧力が加わるのですから、関節がゆるゆるでズレやすいアテトーゼ型脳性まひ児には、残念ながら拷問に近いプログラムであったと言わざるを得ません。
しかも結構、この機械、スースゥーと風が身体中を駆け抜ける構造になっていて寒いのなんのって…布団が振動でずれ落ちても自分じゃ直せないし、となりで疲労困憊して深い眠りに落ちている親は、そう簡単には起きてはくれないし…で入っているだけとはいえ、かなり過酷なプログラムなのでした!(大畑 楽歩)

楽歩さんのブログはこちら→http://ameblo.jp/rabu-snoopy/

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