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2009年12月28日 (月)

マスコミに巣くう「親米派」と天皇を政治利用する政治家たち

●マスコミに巣くう「親米派」と天皇を政治利用する政治家たち

 鳩山政権は普天間基地の移設問題を抱えながら新年を迎える。米軍の要求通り辺野古にするのか、それとも沖縄県民の批判を率直に受けて県外にするか、の選択を迫られている。が、もう1つ、まっとうな第三の道は、国外移転である。
 普天間米軍基地は町中にあり危険だとして、1996年4月の橋本龍太郎首相とモンデール米大使が返還で合意した。そののち、97年11月に政府は代替施設として名護市辺野古沖に海上施設を設置する、とした。
 以前にも書いた通り、辺野古は普天間基地の代替ではない。あらたに増強されるまったくの新しい基地である。2本の滑走路をV字型に並べるプランは、60年代に米軍が密かにつくっていた計画の浮上であった。つまり普天間を撤去するという偽装の下につくられた、より強力な新空港なのだ。

 海上空港をつくる当初の計画にたいして、住民たちは海上予定地のボーリング調査用のパイプ製やぐらを占拠、座り込み闘争をつづけた。それによって、海上空港案は頓挫した。その抵抗運動を回避する形で、キャンプシュワブの一部を使った、埋め立て空港に政府は強制着陸した。沖縄県の土木建築業者を傘下に収めているゼネコンにとっては、大需要の喚起だった。しかし新たな軍事空港建設は、基地に苦闘してきた沖縄が、さらに戦争に縛り付けられること意味する。ますます反対運動が盛り上がったのは当然だ。
 在日米軍基地は全国に85ヵ所ある。駐留兵力は約3万6000人。この施設の面積は東京23区のほぼ半分ともいわれている。この膨大な用地の75%が沖縄に集中している。「国土の0.6%に75%の基地」といわれるゆえんだ。
 また、米軍は沖縄県民の地主から強制収用した負の歴史がある一方で、面積の大きい地主には不労所得が入る、という矛盾と退廃を生みだした。
 これまで本土での米軍基地は減少傾向にあったが、沖縄ではほとんど減っていない。つまり現在の日米関係は沖縄県民を犠牲にし、生活を荒廃させたうえで本土が繁栄する、という関係となっている。だからこそ鳩山由紀夫首相が目指す「対等な日米関係」のノドに突き刺さった棘となっている。

 自民党政権はなんら沖縄の基地問題を改善する意志がなく、辺野古に押しつけて事足れりとしてきた。鳩山政権はそれを解決する方針を打ちだし、自民党や財界、大メディアから集中砲火を浴びている。しかし自国も相手も政府が替わったのだから、政権交代前の「合意」について、話し合いによって解決していくのは当然だ。
 米軍基地の問題の根幹に横たわるのは、日米安全保障条約がある。51年に締結された旧安保から59年の歳月がたった。60年の安保改定にさいしては、安保反対の大デモが起こり、30万以上の人たちが反対を訴えて全国から国会に集まった。わたしたちの学生のころである。89年にはベルリンの壁が崩壊、ソ連を中心とした冷戦構造は解消し、各国が新しい国際関係を模索してきた。ヨーロッパ諸国はEUを結成した。
 ところが自民党政権の日本は、米国一辺倒の外交を変えようとする意欲はなかった。戦争終結から64年たってなお占領軍が駐留し、さらに基地を拡大強化しようとしている。これが「対等な」関係なのかどうか。政権交代を契機として、これまでの対米一辺倒の日米関係を変えていく時代となった。日本の未来にむけての政治をおこなうときである。
 米軍再編によって、沖縄の海兵隊8000人とその家族9000人をグアムに移転する。普天間基地はヘリ部隊であり、海兵隊地上部隊と行動をともにする部隊だ。そのままグアムに移転しても、なんら問題がない。90年前後には、沖縄海兵隊のハワイへの全面撤去プランがあったのだから。

『朝日新聞』(09年12月18日)には次のような報道もある。「日本駐留の経験がある元海軍幹部によると、海兵隊がいなくても現在、日本にいる陸海空軍兵力だけで中国などへの抑止機能は十分果たせるという意見が米軍内には根強くあるという」
 つまり既得権益を米軍は手放したくないだけのことなのである。
 しかし米国の圧力は激しい。かつて「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」と自衛隊派兵への圧力をかけたアーミテージ元国務副長官が12月に来日。「10年かかった日米合意が白紙になる」などと恫喝した。彼は91年当時、フィリピン政府がクラーク・スービック両基地を撤退要求したときにも、わざわざ脅かしに行った札付きである。

 さらに激しいのは大マスコミの攻撃だ。
 朝日・読売・毎日の三大紙でも「外交の継続性が必要だ」とか、「米国との好意が壊れる」「国益を損なう」などの文言が紙面に踊った。米国側の利益に寄った記事が大量に発生した。
『読売新聞』(09年12月16日)には、「米国の首相に対する不信感が一段と深まるのは避けられない。防衛省幹部は「米国は『鳩山政権は、北朝鮮と同じレベルのずうずうしさだ』と受け止めるだろう」とうめいた」とかなり扇動的な記事が掲載された。
 国務省から接待づけになっている新聞記者などが、いっせいに「日米関係が悪化する」と書きたてている。日本が独立国としての主権を主張する局面になると、このような親米派がいっせいにうごめきだす。このままでは米国のご機嫌を損なう、とばかりに、臆面もなく米国の主張を垂れ流す。

 米国が怒るから辺野古にしろなど、「売国奴」的な表現を、日本のマスコミが平然と繰り返している。ワシントンやニューヨークを体験した「大記者」たちの退廃である。
 普天間の問題を解決するには、日本の米軍基地を将来的にどうするのか、という課題は切り離せない。もう59年にもなる日米安保と64年もつづいている「占領状態」を、これからどう解消していくかを考える時となった。強靱な将来志向で挑むしかない。(談)

全文は→「01.pdf」をダウンロード

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