ドーマン法に生きていた私~脳性まひ者の告白~/第12回 知性プログラム
ドーマン法のリハビリというと、一日中、過酷な運動を強いられる…そんなイメージがあるかと思います。この連載ではじめてお知りになった方にも、そういう印象が出来上がってしまったかもしれません。だって実際に、そうなんですもの!(笑)しかし研究所サイドのスタンスは、運動に問題がある子も無い子も、主に知性面だけに問題がある子に対しても、隔たりなくバランスのとれたプログラムを処方しているのだと道破しています。
確かに、与えられたプログラムを見てみると、大きく分けて3つに分類することができます。
①運動面 ②知性面 ③生理面(呼吸/発育/栄養)
①のプログラムに関しましては、その全てといかないまでも、これまでの連載の中でも主要プログラムはご紹介してきました。
全くこれまで、書いてこなかったものが、②と③に関するプログラムです。
②の知性プログラムというのは、文字通り知性を高めるプログラムで、今話題になっている天才児を要請する為の教材・ドーマンメゾットとして売り出されているものとほぼ同じ内容です。それプラス、同学年以上のレベルの小説を何冊以上読破すること(もちろん読書感想文付きで提出)や、数点の絵や作品を仕上げること、まだまだありますよ~ 楽器を極めること(ちなみに私はバイオリンとエレクトーンを選択)や、絵本や随筆を一冊仕上げて次の再診までには必ず持参しなければなりません。はぁ~?! スケジュール上でも、1日のうち1時間も自由時間が取れないぐらいの超過密リハビリの中で、これだけのことを要求するのは無茶というもの。ドーマン博士が尊敬なさっておられるダビンチ氏もきっと、びっくり仰天なさるでしょうよ! 考えてもみて下さい。読書にしても楽器にしても、創作活動にしても、どれも時間がかかることばかり。
おまけに地獄のトレーニングを終えて手のひらやひじ膝などは、ジュル剥けで、あちらこちらの関節は悲鳴をあげている…まさに心身ともに疲れきっている状態で、教養も知性も感性も伸びるワケないじゃありませんかぁぁぁ!
でも、こなさなければ、再診は受けられないのですから、否が応でもやらなければなりません。私は常に“運動プログラムよりはマシでしょ?!”とそう自分に言い聞かせて取り組んでいたのです。(身につく訳がありません!)それ故に、親や研究所のスタッフの目をタブラカス術だけは年々、磨きがかかっていきましたけど…(苦笑;)
「でも楽歩さん今でも読書や書くこと、それから音楽などお好きでしょ?」と、ドーマン関係者から帯せられ、今更面倒なので楽歩スマイルで誤魔化しちゃてますけど、今ここでお答えしますわ~
読書も、創作活動も、楽器の演奏も、油絵も、美術館巡りも、それから…様々な知的活動なんて、大、大、大、大、大っきらいでしたの。はっきり申し上げれば楽歩はどーしようもない不良ムスメだったのです。ワタクシにとって苦痛のなにものでもありませんでした。
何年もかけて、ドーマンの呪縛と、それから親の呪縛から解き放たれた時、ようやくワタクシは知ったのです。学ぶ楽しさ、創りだす創造性、楽器を奏でる快感。つい最近のことです。
これらすべてが自分の快感に変わった瞬間が、本当のというか、今の楽歩の誕生と言えるでしょうね!
③の生理面に関しては次回にします。お楽しみに!(大畑楽歩)
楽歩さんのブログはこちら→http://ameblo.jp/rabu-snoopy/
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