ドーマン法に生きていた私~脳性まひ者の告白~/第11回 床運動
前回、ドーマン博士は怪我のリスクなんぞはお考えになられていないご様子だと、書きましたが、もう少し、この話題にお付き合い下さらないでしょうか?
基本的に、どの運動プログラムについても“怪我”というリスクは顧みられていないと思われるのですが、特にそれが顕著にあらわれているプログラムが、ブレキエーションと床運動ではないでしょうか。床運動ときいて「な~んだ」と思ったそこのあなた!床でピラティスするのではなく、器械体操の一種目である、あの“床運動”ですョ。といっても、さすがにしんしん宙返りなんぞの大技は強いられませんでしたが…。
男子と違って、女子は音楽に合わせて演技できるでしょう。実際の器械体操の床も!!
本番では(ドーマン博士や治療を受けてる家族の前で披露する機会が再診の時に与えられる)キレイなレオタードも着れるし、そういう意味では、若干ブレキエーションより気は晴れましたけど。
まず練習するのは、前転/後転にはじまり、ブリッジ、V字座り、Y字バランス、三転倒立、飛び込み前転、開脚前転/後転、側転…。
ちなみに側転は、何年たっても一人ではできませんでした。できないといっても、一日に何百回とサポート付きで練習するのです。
擦り傷や筋肉痛などの騒ぎではありません!
軟骨がすり減り、靭帯が伸び切り、関節が悲鳴をあげていたことは、今更みなさまに語るまでもありませんね!
ブレキエーションでもそうですが、普通の子どもなら、よっぽどの落ち方をしない限り、落下は、それほど危険なことではありません。本能的に衝撃が一番少なく安全な方法で着地ができるからです。しかも正常な脳の持ち主ならば、繰り返し行うことによってより高度でより安全で俊敏な対応ができるようになるでしょう。
しかしながら脳性麻痺者には、基本的にここの機能がぶっ壊れているので、いくらそういう状況に追い込んだって、そんな能力は待てど暮らせど発揮されません! 第一ちょっとの段差を越えたり降りたりする時に、膝を曲げなきゃ体中にあのイヤ~な衝撃が走るとわかっているのに、ピーンと膝を伸ばしたまま足を地面につけてしまうというのに、とっさの緊急事態に対応できるわけがありません!!この状況で繰り返しても能力が高まるどころか増えていくのは怪我だらけの身体のみ。(笑)
でも両親は楽歩の訴えよりも≪機能が構造を決定する≫という博士のいうことを信じてつっぱしちゃったんですね~
両親の目に私は、いつも「怖がりで痛がりのビビリ」という風にしか映っていなかったんでしょう。年功序列、あるいは親と子なんて、時としてこんなにも、理不尽なモノなのです。そんな私も親の立場になった今、最もこのことを肝に刻みつけて日々自分に問いただして子育てに臨んでいるところなのですが…(苦笑;)
それでも、いつか…いつの日か息子に告られちゃう日が来るんでしょうか。
「あの時はよくも~上から目線でコノヤロー!俺のおやつ奪いやがって!!」ってね( ´艸`)
(大畑楽歩)
楽歩さんのブログはこちら→http://ameblo.jp/rabu-snoopy/
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