火曜なのに日曜ミニコミ誌!/新潟発信『まちの日々180』
学生時代に散々歩いた街、新潟に行ってきた。
田舎者だからか、新潟は文化的な街だと勝手に思っている。県道沿いを車で行けば、金太郎アメのような大型全国チェーン店舗が続々と続くのは他県と比して差はないけれど、アーケード街でふらっと入る小径、立ち寄る古本屋、若者好きするカフェバー、何となく手づくりの匂いがする美容室等々に、静かな文化の息づかいを感じるのだ。その要素は、スタイリッシュな店内だったり、ざくざくと置いてあるフリーペーパーだったり、店主のまっすぐな姿勢だったりと様々だ。
どうしてそう思うのが田舎者かというと、新潟しか知らないからだ。きっとそんな小径や古本屋や美容室は、他県にごまんとあるのだろう。
さて、火曜なのに急遽ミニコミ誌の記事を書きたいと思ったのは、新潟でたいへんキュートなミニコミ誌に出会ってしまったからだ。『まちの日々180』vol.1。まさにそんな小径や古本屋や美容室を、大事に切りとって、見開きにおさめる。老舗喫茶店のオーナーにインタビューする。「近所」についての、静かに熱い語らいがある33ページだ。
こんな少ないページの中で、4人の執筆者が白紙を彩っている。どの文章も美文で、テーマは違えど文章のテンションが揃っているのが素晴らしい。こんなに統一感のある執筆陣は、どんな雑誌でも見たことがない。新潟という1つの土地がつくるテンションなのだろうか。どのページを開いても、冬の晴天のようなすがすがしさと上品さが漂ってくるようなのだ。
後記によると、この雑誌は『みなとまちにいがた・月刊まちの日々』というフリーペーパーの別冊であるらしい。WEBサイトもこまめに更新されていて、街への愛が伝わってくるような丁寧な仕上がりに好感が持てる。協力団体としてあがっている「みなとまち新潟倶楽部」のWEBサイトも同様だ。新潟に行くときには、ぜひガイドとして役立てたいサイトである。
一見気ままに書いているようで、ピシリと整った無駄のない文章は、心まで漂白するよう。最近復興を頑張っている、かみふるまちの古本屋、「ワタミチ」にて購入。500円(税込)。
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