ドーマン法に生きていた私~脳性まひ者の告白~/第2回 ドーマン法のプログラム1 パターニング
脳障害を治療するドーマン法については、世界中の様々な専門機関がその効果に否定的な見解を示しています。その見解は、私がドーマン法を始める20数年前から現在に至るまでさほど変わっていないように思います。
問題点としてよく取りざたされるのは
1、 あまりにも高額な費用が掛かる事
2、 家族に多大な犠牲を強いる事
3、 医学的なデータが殆ど発表されていない事
この3つです。
しかし6年間取り組んできた張本人の意見を、ここにつけ加えさせて頂くとすれば
4、 骨や関節などに負担がかかりすぎる
というデメリットも上げられます。これは、あくまで私が、関節が外れやすく、筋肉がソフトで骨が細い、という特徴を持つ障害(=アテトーゼ型の脳性まひ)を持っているからこそ起こることであり、一概にドーマン法のデメリットだとは言えないかもしれません。でも、脳性まひ児(者)ならば、その障害の種類や程度は問わず治療できると自信を持って掲げているにもかかわらず、運動障害・知能障害・知的障害・自閉症など、様々な種類の障害者が基本的に同じプログラム(=訓練)ってのは、少々無理があるのでは?と疑問に思うのは、わたくしだけでしょうか?
脳障害研究センターが発刊している機関紙によると、脳細胞の半分以上が侵されると死亡してしまう、ということは、どんなに重度の障害児でも半分以上の脳細胞は傷も付かず開発もされていない状態になっているということであり、ドーマン博士はその残された脳細胞を構築していこうとする立場にいます。その為には、健康な赤ちゃんが辿る過程を徹底的に繰り返すことで再生していくという考え方なので、運動障害でも、発達に問題がある子も、知的障害児(者)であっても、基本メニューは同じになる訳です。
ここでプログラムの中でも、基本中の基本である「パターニング」をご紹介しましょう。これは「メスを使わない脳手術」とも称されるものですが、身体の小さな子どもなら3人の人手が、大きい子あるいは大人の患者さんならば5人の人手が必要になります。これを1日何十セットとこなさなければならないので、家族は人手の確保に泣かされます。まぁ当の本人は寝ていてもいいので、痛くも痒くもない楽チンなメニューなのですが・・・。本人は短パン半そで姿でパターニングテーブルにうつ伏せになり、パターナーと呼ばれる協力者の一人が首を左右に、もう一人が手足をペタペタと動かし、残るもう一人は反対側の手足を持ち同じ要領で、反対側の手足と交差になるようにペタペタと一定のリズムで規則正しく動かしていく、というものです。
これで、正しい腹這いの形を脳細胞にプログラミングしていきます。また手、足、腹部がどのように感じるかを、触覚を通して脳に情報を送っていると言われます。
うーん。私には理論的にも納得しきれない部分があるのですが・・・。
壊れてしまった脳細胞の代わりは、やはり壊れた脳細胞にしか担えないものなんだと、何の専門的知識も持たない脳性まひ者・楽歩は、そう思うのです!(大畑 楽歩)
楽歩さんのブログ→http://ameblo.jp/rabu-snoopy/
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