ドーマン法に生きていた私~脳性まひ者の告白~/第5回 リハビリは命がけ?!
ドーマン法は、世界一厳しいリハビリ法であると言われています。
そりゃそうでしょうね~。義務教育ですら受けている暇はないのですから(笑)
日曜日であろうと祝日であろうと、もちろん、盆や正月であろうとも、年がら年中、朝5時50分に起きて、パターニングからはじまり、一日のカリキュラムをすべて消化しなければならない生活を強いられるのです!
与えられたプログラムは各自の家庭で家族の手によって、行われることが大原則であります。なので、すべては親次第。いくら世界一厳しいとはいえ各家庭に監視カメラが備わっている訳ではありませんので、与えられたプログラムを忠実にこなすか否かは、自己責任に委ねられているのです。しかし、親たちの多くは遠く離れた異国の地にいるスタッフ(監視の目)に見張られているような気分で日々を過ごしています。というのも、半年に一度、必ず朝から晩までみっちりと一週間にわたって各スタッフ(ドーマン博士も含む)によるレクチャーを両親揃って受けなければならず、また次の再診までの半年の期間には、2度の報告書の提出(プログラムの進み具合・与えられたゴールに何パーセント近づいたか?・プログラム上で生じた問題点など)に加え、プログラムの様子をビデオに撮って送らなければなりません。もちろん、これらの報告書と実際の再診の際に食い違いなどが生じた場合(又は、与えられたゴールが100%クリアできなかった場合など)その時点で容赦なく「お辞めなさい」と言われてすべてが終わってしまいますから、誰にも見はられている訳ではないのに親が毎日、必死になるのも無理はないのでしょう。
それに加えて、もう一つ大きな要因としては、半年に一度受けなければ次のプログラムがもらえないという“講義”による親へのマインドコントロール作用が大きいかと思われます。
ワタクシ自身(=障害者本人)は、この講義を受ける義務はありませんでしたが、暇に飽かして何度か聞いたことがあります。(だって、両親が朝から晩までレクチャーを受けている間、私は宿泊先のホテルの部屋で一人待っていなくてはならないのですから…。)何が笑えるかといったら、極論を熱弁されているスタッフ達もそうですが、このおっかしな講義をクソまじめに聞いている親たちの真剣なまなざしも可笑し過ぎます。(むろん、この講義を受けないことには、我が子を診てもらえないのですから、真剣になるのもやむを得ないことなのかもしれません…)
お国柄の違いやジョークの派手さ(いわゆるアメリカンジョークというやつです)を差し引いたとしても、あまりにも極論を言い過ぎている印象を私は受けました。
ちょっとぉ!それおかしくないか!?と突っ込みたくなるようなお話ばかり。
書き始めればキリがないぐらい様々な講義の内容が思い浮かんできますけれども、今日はその中の一つだけ、みなさまにご紹介しますわ~。
今からご紹介するのはドーマン博士がレクチャーされていた時の内容です。
もし、訓練中に家が燃えてきたとしても(家が火事!?これは一大事です!)、消防署に連絡したならば、あとは訓練に必要な道具を持ちだし、火が消し止められるまで、ご近所さんのお宅を借りて訓練を続けなさい。と…………。
そんなアホな!!と思いません??
おそらく、このレクチャーを受けていた中で、このような突っ込みをいれたくなったのは、私だけだったのでしょうね。(大畑 楽歩)
楽歩さんのブログはこちら→http://ameblo.jp/rabu-snoopy/
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