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2009年10月19日 (月)

書店の風格/第39回 啓文堂吉祥寺店

 京王関連線沿線ぞいにあるのが、啓文堂書店だ。
 だから、もしかしたら車をよく使う人には縁のない本屋さんかもしれない。さらに駅直結、たいていはインショップ系だから、奥ゆかしい印象を受ける。しかし、そんな啓文堂のなかでも群を抜いて目立つ店舗がある。吉祥寺店だ。

 駅隣のビルの地下に配置されながらも、圧倒的な存在感を誇る吉祥寺店。郊外のバイパス沿いにあるワンフロア店舗を思い出させるような広さが魅力的だ。駅側からアクセスすると文芸書コーナーに出るのだが、このスペースだけでも都内であれば一つの書店と見間違えてしまうだろう。実は奥にビジネス書や専門書のフロア、さらに奥には実用書や児童書のフロアがあり、こちらはビル母体であるユザワヤ側から一番近い。対象客の銅線を捉えた、美しいフロア展開である。

 この書店、中でも出色は児童書からはじまってヤングアダルト系の品揃えである。今はライトノベルに完全に置き換わった気もするヤングアダルトだが、外国文学の爽やかさを喜ぶ人々は今も健在だ。文芸書のコーナーに並ぶ重厚な上製本は、古きよき時代を匂わせる。新書ブームも実用書ブームも糞食らえの、書店精神が一心に叶えられているのだ。その棚の前に立つと、エキチカであることの騒々しさなど忘れてしまう。おっとりとページをめくりたくなるような、そんな空間が出来上がっていて、ついつい長々と立ち読みしてしまうのだ。

 良書を求めて、重厚なつくりの、丁寧な印象の本屋にだけ行っているとしたら、それはちょっと先入観が勝ちすぎる。一見、急いでいる人だらけのシンプルな駅中書店も、工夫は変わらない。京王線を使うときは、ぜひ立ち寄っていただきたい。(奥山)

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