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2009年10月22日 (木)

靖国神社/26回 潜入ルポ・秋季例大祭 第三日祭(上)〈2007年10月取材〉

 9月のある日、私宛に一通の封書が届いた。靖国からだ。
中には招待状とはがきが入っていて、手紙を読んでみると、どうやら秋季例大祭の第三日祭の案内だった。
 内心、『祭に招待されちゃったけど、土曜日の午前中かよ!』と思ってしまったが、靖国ライターとしては、雨が降ろうと休日だろうと正月だろうとクリスマスだろうと誕生日だろうと、行かなくてはならない。
 さっそく、返信はがきの「出席」に丸を付け返信。

 そして、待ちに待った10月20日がやってきた。実は、前日まで風邪でずっと寝込んでいて、明日は大丈夫だろうか……という心配をしていた。
 しかし、英霊の気遣いなのか、それとも仕事人としての執念が勝ったのかはしらないが、熱が下がり重かった体も軽く、スッキリ。「うーうー」とうめいていたことが嘘のような朝を迎え、さっそく靖国へと向かった。
 冷たい風が吹いていいるものの日差しがあるおかげで少し暖かい秋の陽気。神門へ向かう人々は心なしか高齢者が多い。
 神門をくぐると、拝殿の幕が紫(通常は白)に変えられ、能楽堂前では菊花展が行われていた。
 案内には参集殿横で封筒を渡すと書いてあったので行くと、大勢の人だかりができていた。並んでいると、隣の列でよろけながら立っている男性が、「来年あたりはもう一人でこれそうにもないねぇ……」と寂しそうに言った。戦後60年というのはこういうことでもあるのかと感じた。
 自分の番になり玉串料を納めた。すると、「靖国神社秋季例大祭第二日祭 第三日祭祭式次第」と、リボン、そして「遊就館無料招待券」を1枚もらった。
 割引券ではなく、招待券。有効期限が書いていなかったので、近くにいた靖国関係者に聞いたところ「無期限です。(遊就館が)ある限り使えます」とのこと。内心、「そりゃ、なくなれば使えなくなるだろうよ……」と突っ込みをいれながらも、無期限チケットは嬉しいと思い、参集殿へ入った。
 紫のカーペット(ふかふかで気持ちいい)の上を歩き、拝殿へ向かう。
 拝殿には椅子が並べられていて、すでにほとんどの席が埋まっていた。
 私が拝殿についた時点でまだ9時10分くらいだったのだが、いったい何時から来ていたのだろうか。

 開始は10時からなので待つ。
 ぼーっとしながら待っていると、突然「ドーン!」という太鼓の音が鳴った。
 9時50分。お祓いが始まった。そのお祓いは何メートル先まで威力があるのかはわからないが、何かが祓われたのだろう。
 10時。「ドーン、ドーン」と太鼓が鳴った。鳴る前に「太鼓が鳴ります」というアナウンスがあったので、大音量でも心の準備をすることができた。一回目は突然だったから。
 そして、国歌斉唱。『君が代』は他国の国歌に比べれば地味だが、「さざれいしの~」あたりのパーカッションの盛り上がりがなかなかかっこいいと思っているのは私だけだろうが。いろいろうるさく議論されている詞はともかくとして、メロディーは荘厳でリズムに波があるので好きだ。国歌斉唱は2回繰り返された。2回も繰り返すのは曲が短いからだろうか。初めて繰り返し合唱を体験したときはカルチャーショックを受けたが、今回、純粋に繰り返して聞いてみると、1回では短く、2回だと歌った気分になるというか、ちょうどよい長さに感じられた。ただ同じ歌詞を繰り返すのは退屈なので、さらに2番があればしっくりきそうだ。
 その後、宮司が内陣の扉を開いたらしいのだが、席が後ろの後ろ、さらに柱が邪魔で見えない。ただその最中に「おーーーー」といううなり声のようなものが聞こえてきただけだ。いったい何が起こっていたのやら。
 10時18分宮司が祝詞を奏上。
 10時23分『鎮魂歌』と『靖國神社の歌』を合唱。
 『ようこそ靖國神社へ』(近代出版社)に『鎮魂歌』が載っていたが聞くのは初めて。この曲はおいておくとして、『靖國神社の歌』は、主婦の友社が献納し、作曲は陸海軍軍楽隊がしている。歌詞は書けないが、詞を読めば靖国の歴史(というか存在意義?)がよくわかる一曲。この曲が靖国のすべてを語っているという素晴らしい構成になっている。興味があったら是非聞いてみてもらいたい。歌以外の演奏は國學院大學吹奏楽部が担当していた。 10時33分。特別参列者代表の崇敬奉賛会会長代理と、奉賛会総代による玉串奉納が行われた。
 10時39分。「国の鎮め」という曲を合唱。
 10時41分。南部宮司(靖国で一番偉い人)が挨拶。その挨拶でいろいろ興味深い話を聞くことができた。
 今回の例大祭でなんと英霊が10柱増えたそうだ。増えたということは、合祀された人物が10人増えたということだ。戦後60年たっても増えるんだ、と素直に驚く。
 そして、遊就館の来場者数が50万人を超え、さらに青少年の参拝も増えているそうだ。夏休みは、小中学生の遊就館拝観料無料キャンペーンも行っているそうだ。
 どうやら本当に、「靖国ってなに?」が「靖国行ってみない?」に変化しているらしい。ムーブメントから定着。マスコミの煽り、小泉元首相の靖国連呼と参拝、もしかしたら2ちゃんねるの効果? とにかくいろいろな要因が考えられるが、今後の日本を担っていく若者たちが歴史を積極的に知りにいくというのはよい傾向なのではないだろうか。(奥津裕美)

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コメント

こちらのブログで以前、武藤氏に日銀総裁就任に猛反対されていらっしゃったかと存じます。斉藤次郎氏については如何でしょう。彼についても、いつも通りの鋭いブログを楽しみにしております。

投稿: | 2009年10月22日 (木) 16時24分

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