日曜ミニコミ誌!/コーヒーのおともに『はなうた』1号
初めて見たとき、企業の宣伝チラシかと思ってしまった。思い浮かんだのはフェリシモのカタログと資生堂の「花椿」。デザインの美しさに興味をそそられ、カタログと理解しつつも誌面に惹きつけられてしまう、そんな力がどちらにもある。『はなうた』は素人離れしたつくりと、ミニコミとしての魅力を持ち合わせた雑誌だ。
画像を見ていただくとわかるが、販売時にはこのように冊子が紐で縛られている。紐をとくと、その先端が冊子にくくりつけられており、栞として機能することが分かる。この時点で「ニクイ」という言葉が出てしまう。そして表紙にくるりとあいた円形の穴から覗くのは、靴。表紙をめくると、お行儀よく並べられた革靴がそこにある。
一号のテーマは「深緑」だ。深緑色とリンクした衣・食・住の世界を紹介しているだけではなく、レビュー対象の映画パッケージ、本の装丁、CDジャケットまで全て緑色と徹底している。しかししつこくない。女性らしさを感じさせる繊細なデザインが、こだわりの強さをゆるりとカバーしているのだ。こんなに美しく、きびしく、雑誌というものを追及しているのに、あくまで個人で楽しんでいるという姿勢が素晴らしい。全力で楽しんで、全力でつくっていく、そんな豊かさを確かに伝えてくれる『はなうた』。2号まで出ている。(奥山)(■1号、B5判32P 定価630円)
| 固定リンク
「日曜ミニコミ誌!」カテゴリの記事
- 馬語手帖(2013.03.31)
- 日曜ミニコミ誌!/『季刊レポ』 祝!第1回「笑う本棚大賞」は『醤油鯛』(2012.12.16)
- 日曜ミニコミ誌!/活きた島情報満載「季刊リトケイ」(2012.10.14)
- 日曜ミニコミ誌!/静かな街に住みたい『AMENITY』(2011.11.20)
- 日曜ミニコミ誌!/ヨロンのびのびミニコミ「かなしゃ」(2011.10.30)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
この冊子は どのようにもとめたらいいのでしょぅか
投稿: おん | 2009年8月23日 (日) 06時14分
おんさん、記事をお読みいただきありがとうございます。
私は新宿 模索舎様で購入しました。
投稿: 奥山 | 2009年8月25日 (火) 15時43分