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2009年7月24日 (金)

予算総額750億円、古賀誠がしゃぶった有明新法の陰で

Photo  諌早の干潟が淡水のヘドロに沈んで13年目の夏が来る。当初、ムツゴロウで知られている諫早湾を横切る全長7キロの大堤防計画はなかったが、80年代のバブルの盛りに、旧農林省が堤防構想を持ち出した。その結果、予算は2500億円を超え、ゼネコン13社は追加分の約1000億円の堤防工事に群がった。その後、魚介類を増やすために成立したのが有明新法という時限立法である。有明新法の別名は有明海特措法。予算総額750億円。主として有明海と八代海の魚介類の養殖に使う砂を海中に撒くための新法だった。

 赤潮被害を受けて、水揚げ量が激減。有明海沿岸の長崎・福岡・佐賀・熊本の漁師の負担を軽減するという大義の元、海砂が海中投棄された。激減した魚介類の環境回復が目的とされたが、長崎大学の海洋学専門の名誉教授は、効果がなかったと述べて、「利権でしょう。あんな馬鹿げた税金のムダ使いに乗る方がどうかしています」といった。

 この悪法を批判した結果、お上の横暴に泣く人が古賀誠の地元・福岡県大牟田にいる。名は早米ヶ浦漁協組合長の森永栄三さん(72)。古賀誠の福岡7区に住んでいる。04年の夏に森永さんの漁協に解散命令が出て、大牟田簡易裁判所で敗訴した。理由は水産業協同組合法違反。同法は年に90日から120日の漁業に従事する組合員が20人以上と定め、県によれば、森永さんの漁協は定員割れしていたが、「組合員の1人は、静岡県の建設現場に出稼ぎに出ていました。漁協から脱会せずに休退という形で籍を残していました。出稼ぎの理由は諌早干拓事業の影響で漁獲高が激減です」と森永さんは憤激する。
 福岡県庁水産林務部漁政課はその組合員に電話して誘導尋問めいた発言をさせて、返事を録音し法廷に提出し、一審の裁判官は証拠採用したのである。

Kannban  県の横暴に泣くのは森永さんだけではない。全国20万少々の漁師が構成する漁協の統廃合が加速化している。農水省は平成21年までと期限をつけて、地区単位の漁協合併を福岡県に命じたという。
 その結果か、平成17年になって福岡県内で漁協の解散処分がらみの行政訴訟が3つ起きた。県に睨まれていた結果だと異口同音に三漁協の代表はいうが、そのうちの1人の森永さんは古賀誠が県会議員になる以前から面識があった。森永さんは諌早湾の堤防に抗議して海上デモに参加。平成13年の冬には、他の30近い漁協の代表者とともに、国会に陳情に行った。すると、古賀の秘書は「古賀先生は今有明海に公共投資させる計画を作っている」と説明した。数年後、古賀が幹事長だった頃には、地元の有明漁協で会ったという。そのとき、古賀は陳情に集まった漁師を前にして有明新法に言及した。
「皆『古賀先生』と呼んでいました。私は昔のよしみで『古賀さんと呼んでよかな』と断って『国のために来たのか、漁民のために来たのか』と迫ると、古賀本人は憮然となり、SPなどの取り巻きに睨まれました。古賀がついに地元に海砂がらみの利権漁りに来たのかと内心笑いましたね。あれも解散処分を受けた原因でしょう」(同氏)

 全長7キロの大堤防はバブル最後の巨大ムダ使いだった。農水省はさらに100億円投じて、堤防内のヘドロを浄化したいとぬかす。天下り先を作りたいだけである。自民党と官僚支配の実態だが、題して「麻生渡・福岡県知事の漁協潰し」。24日発売の週刊金曜日誌上で詳しくレポートした。長崎・諫早では60億円の金が消えて、福岡では、諫早湾堤防開門命令に異を唱える漁協が連続して埠頭解散された。その陰で30人近い自殺者が出た。(李隆)

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