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2009年6月29日 (月)

ロストジェネレーション自らを語る/男性・26歳・無職 前編

(前編)
 生まれは東京ですが、ぜんそく持ちだったので環境を整えるために4歳で岡山に移りました。閉鎖的な田舎町で、いったん栄えてまた廃れてしまったという雰囲気が色濃くある場所でした。そんなもんなんで、人も少ない。小・中・高校と、全て同じ町で通いました。

 中学校の頃は、情報飢餓状態に悩まされていましたね。実家が東京なので年に二回は上京するんですよ。そうすると、田舎町がすごく窮屈に感じてしまいます。狭い町なので、人間関係もある程度固まってしまっているんです。小学校とかで人間関係のカーストが出来るじゃないですか。その中で下の方に行っちゃうと、抜け出せなくなる。それもあって「早く出て行きたい」という気持ちをずっと持ったまま、高校に進学しました。

 地元の高校は治安が悪かったですね。すぐに暴力を振るったりするような環境があって、偏差値に幅があったというかーー全てが偏差値で決まるわけではないんですけどーー早い話が、民度っていうんですか、民度がたいへん低かった。学ランの裏に刺繍入れてたりとか、典型的な田舎ヤンキーの集まりでした。その頃がピークで、「もう無理、もう無理」と思いながらストレスで自分の髪の毛を夜中に切り出してしまったり。両親も嫌気がさして、絶対にいつか東京に帰ると言っていましたね。
 例えばその頃、音楽に興味を持ちだしたんですが、より詳しくなりたいと思っても、本屋さんが三軒くらいしかないし、一般的な本しか置いてない。ミュージックショップに行ってレコードを探そうとしても、レーザーディスクしか置いてない。もうやだこの町、と思って。

 田舎嫌いって僕はいっちゃうんですけど、田舎っぽい人達っていうのは都会の中にも住んでますよね。自分の狭い物差しで語って、価値観を押しつけようとする人です。こうじゃなきゃいけないと。そしてそれからはずれる人に対して、妙に陰湿な攻撃をしてくる。そういう閉鎖的な人を見ると、田舎っぽいなあと思ってしまいますよ。

 高校を卒業して、東京に出てきました。現役で国立大に受かったんですが、東京じゃなかったので不満に思って一浪しました。葛西の寮からお茶の水の予備校に通う生活が始まりました、やっと出てこれた東京を思いっきり満喫してしまって、机の上で勉強した記憶がないですね。とにかく音楽をたくさん聴いて、はじめて手にした自分専用のパソコンでネット三昧。その頃、ちょうど個人サイトブームが来てて、普通の人が書く日記や創作が面白いという感覚が始まったので、自分もちょっとずつ文章を書くようになってきて。そうやって音楽と文章漬けになって、結局一浪して合格したところに入学したんですが、両親はもうちょっといい学校に入ってくれるもんだと思っていたみたいです。子どもの正体は、実はキリギリスだったと。…いまは冬で死にかけてる状態なんですが……
(前編終わり)

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