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2009年4月 7日 (火)

●サイテイ車掌のJR日記/3月25日、JR不採用訴訟の控訴審によせて

○月×日
 3月25日、東京高裁から判決が出された。
 「国労差別を認定」「慰謝料550万円(一審より50万円増)」、それなのに「解雇は有効」などなど。
 これらの内容は一審とほぼ同じだ。これといった前進はない。一言でいえば、話にならない。
 この裁判は、国労組合員がJRに採用されなかったのは違法だとして、解雇された1047人のうちの304人が当時の鉄建公団(現鉄道・運輸機構=旧国鉄)を相手取った訴訟の控訴審。一審判決は4年前の05年、9月にあり、JR採用時に不当労働行為があったとして国労差別が初めて認められた画期的なものだったが、慰謝料の額や解雇は有効などの判断があったため双方が上告していたもの。また、これと同種の訴訟で係争中のものが5本あるが、高裁による判決は今回が初めて。
 ところで、この日の判決に先立ち、昨年の7月に「裁判外での話し合いをしたらどうか」という裁判長提案があり、当時の冬芝国土交通大臣が「誠心誠意努力する」との発言をしたことから、原告ら国労側もそれを真摯に受け入れ、裁判と並行しつつも話し合いによる解決、すなわち、政治による解決を何としてでも判決前(年度内)に実現させるという不退職の決意で精力的に挑んできたのだが、結局は機構側との意見が折り合わず、判決となった。
 しかし何よりも、政府が動くことが出来なかったことが原因ではなかったのか。つまり、首相交代などの政治の混乱が最大の壁となったからだと思うのだが。
 それにしても、判決は、不当労働行為により解雇されたというのに何故「解雇は有効」となるのか、単純な私には今一つ理解出来ないのだが、高裁でも不当労働行為が認められたことはもはや揺るぎないものとなり、これだけは大きな成果だ。このことは他の5本の審理にもプラスに影響するはずだし、政治解決にも少しは後押しする結果となったといってよい。
 また、この不当労働行為に関して機構側は「採用は公正だ」と譲らないが、国鉄改革を断行した中曽根元総理自身が「国労を潰すためにやった」と雑誌やNHKのインタビューで繰り返し発言していることなのだ。やった本人が明らかにしているのだから間違いないではないか。それも「国家的」不当労働行為なのである。
 しかしね、よくもまあ何の臆面もなくいえるものだ。権力者の驕りであろうか。れっきとした労働法違反で犯罪行為なのだよ。
 裁判長は判決後に「この判決を機に早期解決を望む」と異例のコメントを付け加えたそうだ。この意味は、司法による救済には限界があり、あとは政治で解決しなさいということであろうか。
 判決後のマスコミ各社は「今こそ政治決断する時」「機構も国交省も逃げずに解決を図る姿勢が求められる」「不採用から丸22年という長きにわたる原告たちの苦悩を思えば、一日も早い解決を願わずにはいられない」と、政治の責任で解決すべきであると一斉に報道していた。
 いずれにしても、今後また何年かかるか分からない最高裁判決までは待てない。「一人も路頭に迷わせない」の大臣答弁も「組合差別があってはならない」の国会決議も全て偽善であった。政府の約束など信じられない。いったい労働委員会以来何度目の判決(命令)になるのか。もはや一喜一憂してなどいられない。22年という歳月はあまりにも長すぎた。闘争団員の平均年齢は56才に達したという。既に52人の仲間が他界した。これでは人生が終わってしまう。おれの人生を返せといっても戻ってはこない。もう限界だ。一日も待てない。苛立ちが募る。怒りと悔しさでいっぱいになる。闘うと決めた以上はそれもこれも覚悟の上なのか。何かがおかしい。変だといつも感じて来た。だが、どうすればいいのか私には分からない。政治が動いて納得した解決が出来るのか。歩み寄りは出来るのか。それも私には分からない。
 それでも闘争団は闘うのだという。だからもう少しの支援を下さいという。
 原告団長と闘争団員の奥さんの涙を見た。
 私は微力で何も出来ないが、最後まで支援をし続けよう。そう思う。(斎藤典雄)

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