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2009年2月26日 (木)

アフガン終わりなき戦場/第11回 NHKで振り回された現場の声なき主義主張(1)

 少し私自身のことについて書こうと思う。 
 ジャーナリストとしては自分のことについて書きたがらないのが普通だ。私も例外では無い。何故かというと、自分のことを書く紙幅があるのならば現場のことを書かなければ、という思い込みがあるからだ。
 別に格好をつけるつもりはないが、職業上のけじめとだ。会社員が時間通りに職場に着くことと同じだ。
 ただし、フリーランスらしく(私だけが例外かもしれないが)、この時間通りというのが昔から至極苦手なたちで、編集者の大畑氏をはじめ、編集部の皆さんには頭を床にこすり付けてでも謝らねばらないことをしてきた。原稿を贈る際のメールの冒頭には必ず「遅れてすみません」の文言が入る。アストラ編集部の諸兄らは菩薩の如き寛容さで許してくれていたが、ここで再度わびをを入れさせていただきたい。本当にすみません。 

 今年の正月3日、NHK・BSのディベート番組に出演した。お題は「どうする日本の国際貢献」。インド洋給油問題などをたたき台に日本がどう国際貢献にかかわるべきかを若者が語る番組だ。正月からこんな硬い番組を見てくだすった読者はいらっしゃるだろうか。見てくださった方には、わたしが1人でハッスルしていたことが印象に残っているだろう。
 実はわたしはこの番組の出演を当初断ろうと思っていた。優秀な小説家で友人の荻世いをらの助言を考慮したからだ。
 「よしたほうがいいぜ。白川君。君がどうであれ、白川君の言っていることは左っぽいと取られると思うよ。変な色がつくから、よしたほうがいい」
 ちなみに、わたしは右でも左でもない。右の人にも左の人にも悪いが、私は保守もラディカルも結構なことだと考えている。それだけ社会に対して深く考えることができるのは、なかなかできることではない。往々にして左右ともに恋人を持てない(持たない?)人が多いのがかわいそうではあるが、実に結構だ。ただし、身なりはきちんと整えたほうがいい。どちらも白の無地のシャツのすそを擦り切れたジーパンに入れていることが多い。
 ただ、正月からアフガニスタンについて意見を言えることは悪くない。現場のことを少しでも多くの人に伝えることは取材者としての責務だ。泣く泣く恥を忍んで私は渋谷のNHKに向かった。
 当初、私は要点だけを述べて後は黙っているつもりだった。出演者は20人程度。普通の大学生から、右翼系シンクタンクの若手研究員までいろんな人がいた。カブール郊外の地雷原で、地雷処理にあたっていたNGOの人と再会したことには驚いた。
 ディベートが始まると、議論の流れはすぐに自衛隊派遣の話になった。お題は「国際貢献」。そのためには自衛隊を送って国際社会からもっと評価を得るべきだとの意見が大半を占めた。
 アフガニスタンには世界中の国が軍隊を送っていて、評価を得ている。だから日本も給油なんてまどろっこしいことをしていないで、自衛隊を送るべきだ。要約するとそんなところだ。
 けれど、誰の意見にもアフガニスタン人がそれをどう思うか。アフガニスタンの状況を武力で解決することが可能なのか。何がアフガニスタンで問題になっているか。という視点が無い。誰もが日本と国際社会(私にはこの言葉の意味がいまひとつ理解しかねる)の関係性のみで話しており、現場からの視点が欠落しているのだ。(白川徹)

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