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2008年12月25日 (木)

アフガン終わりなき戦場/第8回 「日本は外国じゃない」(2)

Photo_2  アフガニスタンくんだりまで金儲けにくるNGO団体なんてあるのだろうか、と思うがアフガン人からすると勘ぐってしまう。支援にきている外国のNGO職員は「おれたちは文明人だ」と言わんばかりの洋服で、英語を話す上流階級のアフガン人の通訳を連れている。そして、なかなか自分たちの手元には支援が届かない。高級な四輪駆動車を乗り回す彼らがどうしてもアフガン人の目には自分たちを助けに来てくれているとは思えないのだ。
 以前、カブール近郊の難民キャンプである男の子の長期取材を続けていた際、キャンプには週何組かのNGO団体が来ていた。ある団体はトラックで乗りつけ、車上からばらまくように物資を配っていた。ある団体は話を聞くだけ聞いて帰ってしまった。難民たちは怒りも悲しみもしない。「連中はあんなもんさ」とタカをくくっているのだ。
 支援は「与える」という気持ちだけでは、成功しない。ペシャワール会の水路近くでそう感じた。何かを与えられる、という考えは高飛車で、いかにも文明人が貧しくて可哀そうな人たちに与える、という心持ちの傲慢な行いだと思う。支援を受け取る側は、支援をする側の先進国が描いている「可哀そうな」だけの無感情な人間ではない。しっかりと、相手を観察しているのだ。

 ペシャワール会では腰が抜けるほど驚いた。何より人々の雰囲気が違う。外国人である日本人に好意を抱いている。外国に対する憎しみが風船玉のように膨れ上がっているアフガニスタンでは考えられないことだ。
ジア副院長も「驚いたかい」という顔でにこやかにほほ笑んでいる。
 ペシャワール会の基本は現地からの要求があってから、何かを始めるというスタンスだという。日本の事務所で何かを決めても、それが現地で必要がなければ意味がない。「ニーズに合わせる」というと簡単に聞こえるが、それを実行している団体は少ない。幸い私の見てきた日本のNGOは高い水準で支援を行っていた。けれど、欧米のNGOでは依然として物資をばらまくだけの稚拙な支援方法が多い。現地の文化とともに生きる、という気概と実行力がなければ現地で受け入れられるはずがないのだ。
 一通りインタビューを終え、ジア副院長と車に乗り込んだ。これから、中村医師が作業を進める用水路建設の先端に向かう。
 美しい小麦畑と刈り入れに精を出す人々の横顔を見ながら、心が沸き立つのを感じた。(白川徹)

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