マスコミ総崩れ
わが出版界は大不況である。トーハンの今年度上半期の中間決算は赤字。大手書店グループ文教堂恒例の新年懇親会は来年中止。伝説の吉祥寺店を含む弘栄堂書店がどうやら精算の方向。月刊現代休刊、月刊プレーボーイ休刊……。暗い話を探すときりがない。
というわけで私も「出版外収入」を求めて他メディアでコソコソと仕事をしているものの、そのどれもが不況下にある。とりわけ民放がおそらく史上初の逆風を受けている。キー局の日本テレビとテレビ東京が中間決算で赤字転落。他社も含めて制作費の切りつめにやっきである。
民放地上波は長らく「広告収入=会社の収入」というものすごく単純なビジネスモデルで通してきた。その広告が今年に入って激減したのが大きい。でもだからといって制作費を削れば番組の質も働く者の士気も基本的には下がる。すると「広告出稿=視聴率」のうちの視聴率が悪化し負のスパイラルがやってこよう。別の財布を持っているNHKは今や職員が「ハッキリ言って視聴率は意識しています」と断言する時代だ。
窮余の策で増加中のパチンコ広告。さぞかし景気がいいかと思いきやこの業界も大変らしい。射幸性の高い機器が排除されて客離れが深刻なのだそうだ。でも今華々しく売り出しているパチンコ機もまた射幸性が高いものが多いらしく規制の声が上がっている。大々的なパチンコ広告を眺めている子の姿を親も放ってはおけない。そのうち激減するだろう。
すでに以前の大スポンサー消費者金融は貸金業法成立を受けて大半がビジネスモデルを失って広告どころではなくなっている。今でも時々見かけるのは「無理のない返済プランで……」と説教するたぐいばかり。無理のない返済プランが立たないから消費者金融へ駆け込むわけだからブラックジョークである。「マネーよりマナーを」などとサラ金に説教されたくない。
彼らが貸し手でなくなれば当然パチンコの原資も細るわけで共倒れは必至である。とうの昔にタバコの広告はテレビから消えた。車も売れない。スポンサーがどんどん消えていく。
とはいえ新聞に比べればまだましである。私が入社した時点で既に「再建」が社是?だった毎日新聞はもちろん厳しいだろう。もっとも広告単価が高いとされてきた朝日新聞まで中間決算で赤字となってしまった。今日(12月9日)の朝刊は広告企画で「朝日ネクスト」というのが入っている。シティ、オリックス証券、アクサ、外為どっとコムなどが出稿しており「1500兆円が日本の未来を明るくする」と題して個人金融資産を活用せよと解く。あの竹中平蔵氏のインタビュー記事の下に「外為どっとコムで、FXを始めよう!」との広告が。あ……ありえねえんじゃねえか。この「朝日ネクスト」も購読料に含まれているのか。
ならば当然ながら広告会社も不景気で業界トップの電通も思わしくない。民放が悪いのだから、歴史的に見てその生みの親である電通がそうなるのも仕方あるまい。この会社は文系学生の大人気企業である。それが昔から不思議でしょうがなかった。
以上、「出版外収入」を求めマスコミという名のサバンナを放浪する私がかつてありつけたオアシスはどんどんなくなっている。というか総崩れに等しい。本業へ戻れとの神の仰せか。でも神様。本業が飢饉で食えないから出稼ぎに来ている労働者へ「戻れ」とおっしゃるのは水野忠邦じゃないですか。(編集長)
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