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2008年11月 5日 (水)

ノンフィクションは始めたけれど

水曜のTBSゴールデンはなかなかの鬼門である。
バラエティーとノンフィクションとライトな教養を思いつきのように取って出しする「水トク」(ちゃんと考えてタイトルを付けましょう)がやっと10%を超えた何回か以外がシングルという低視聴率を叩き出し続け7月16日の「食糧危機・日本人が飢える日」の8.5を最後に終了して、翌週から「水曜スペシャル」(ちゃんと考えてタイトルを付けましょう)はノンフィクションショクを強めて再出発したものの初回は6.9と大コケ。CXのヘキサゴン&はねるの厚い壁に到底及ばないのは当然のこととしてTXの「いい旅・夢気分」(7.5)にまで敗北してキー局最下位へと沈んだ。

結局この「水曜スペシャル」は「マグロに魅せられた男」(6.4%)「有名人壮絶介護日記」(10.1%)「熱血警察官24時」12.0%と私がかねてより強く批判している警察ヨイショ番組が何とかまあの数字を残して自然消滅したらしい。今は「地獄を見た芸能人」とか「銀座の母」のスペシャルで続いている。

で、曲がりなりにもノンフィクション風の番組は消えたかというと9時台に移って「水曜ノンフィクション」(ちゃんと考えてタイトルを付けましょう)が始まった。これが初回6.1%、2回目が何と3.6%とゴールデンにあるまじき物凄い数字を叩き出している。

最近はNHKの視聴率がよく全日、ゴールデン、プライムのいずれもで民放キーへ割り込んで2位から1位をうかがっている。正確にはNHKが伸びたというより民放全体の視聴率が下がった結果の現象だ。ではあるもののそうなってみると「NHKは何やっているのか?」と久しぶりに検討したに違いない。すると当然の結果として民放では弱いノンフィクションやドキュメンタリー、報道で数字を取っているとわかる。ならば……とやってみたのでしょう。
でもね。ロケといっても赤坂周辺というような感覚でノンフィクションは作れない。カネはともかく時間がかかるのだ。それを端折ったような番組作りでは誰も見ない。ゴールデンにノンフィクションを持ってきた勇気は買うけれど肝心の作り手に人を得ぬまま「水トク」「水曜スペシャル」を硬派にしたようなものでは却ってなえる。「マグロに魅せられた男」もオイオイだけれどまだ数字は稼げるよ
それより局員は知らないだろうけど命を張ってドキュメンタリーを作っている独立系の制作プロダクションに相談してみたらいかがか。高飛車にではなく頭を下げて。3.6%はあり得ないでしょう。

さて続く10時台の新番組「久米宏のテレビって奴は」まで5.5%とプライム帯にあるまじき低空飛行というか離陸せずというか。報ステに勝てないのはいい。爆笑レッドカーペットも仕方ない。でも「水曜ノンフィクション」「久米宏のテレビって奴は」を平均して4.6%は同時間帯のTXの2時間もの「秘境イリアンジャヤを行く」(5.6%)にさえ及ばずキー最下位では話になるまい。
「水曜ノンフィクション」はかつて「明石家さんちゃんねる」のあった時間帯。さんまへマルナゲドンでシングルを連発した。「久米宏のテレビって奴は」にもマルナゲドンの香りがする。久米さんも久々の登場だから得意の報道で勝負すればいいのに。というか関口宏と久米宏を入れ替えた方がよくないか? 関係ないのか。(編集長)

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