世界中から入館者が押し寄せる福島の小さな博物館/アウシュヴィッツ平和博物館
ポーランド政府から叙勲された日本人はまれである。彼ら国際正義の人々が今年7月から3ヶ月ほど、聖コルベ師のペン画11枚を東北で展示した。長崎時代の1枚もあった。聖コルベ師が身代わりを申し出た瞬間を再現した1枚もあった。叙勲者の1人である福島県白河市のアウシュヴィッツ平和博物館の我妻英司学芸員(44)は、原画貸し出しと原画展開催を呼びかける。
東北の玄関・白河にあるアウシュヴィッツ平和博物館には海外からの来客もある。ニュージーランド、ポーランド、イスラエル、アメリカ、フランスなど。皆口コミで聞きつけてやってくる。共通の思いが彼らにある。それはナチスの蛮行の記憶を風化させないこと。
「今年の夏の原画展をカトリック新聞が紹介してくれまして、最近は教会関係者の入場者がぽつぽつ増えてきました」
長野にあった200年以上前の古民家を移転させ、地元ボランティアの手も借りて、ドイツ軍の狂気を今に伝える中心人物の1人が我妻英司さんである。我妻さんがアウシュヴィッツ平和記念館に勤務するようになったのは2000年。英国で4年ほど日本語教師をして帰国してまもなくだった。当時、まだ栃木県塩谷町にあった。
故・青木進々初代館長はデザイナーとして何度も渡欧。ポーランドでアウシュヴィッツ収容所内での実態、とくに無垢な子供たちの悲劇に触れて衝撃を受け、彼らそがその後なぜ灰にされたのか。このことを訴えるために、ポーランド政府からアウシュヴィッツの遺品を借り受けて、全国巡回展をした。この経験が今の白河にある博物館に生きた。青木進々さんは2002年に食道がんで他界したが、白河にある現在の博物館は青木館長の遺志を継承するボランティアの善意が支えている。地元白河カトリック教会高橋昌神父もその1人である。
2005年に強制収容所から脱走した生還者をポーランドから招待して福島県各地で講演会を開いた。80歳を過ぎた元囚人はワルシャワに戻ると世界一小さな日本の博物館を大統領府に伝え、それが縁になって、アウシュヴィッツ平和博物の小渕館長以下4人の日本人はポーランド大統領からじきじきに功績男爵十字勲章をもらう栄誉に浴した。
同館の個人サポーターは年に3000円。団体は一口3000円。入会のメリットは、無料で入館できるようになること。ニュースレターを無料購読できることである。現在の入館者は年に3000人。館内にはアンネの日記を残したアンネ関係の資料もある。青少年の教育的効果が期待できるので、今後は学校関係の団体さんにも薦めたいと吾妻さんは話し、「館を維持していくためにはまだまだ少ないサポーター会員と入館者を増やす必要があります。日本中のカトリック教会に貸し出したいのです。コルベ神父と同じ部屋にいたポーランド人画家が残した作品です。11枚の原画を見て頂きたいと願っています」と訴える。
コルベ神父原画展の貸し出しの相談はアウシュヴィッツ平和博物館 TEL 0248-28-2108 / FAX 0248-21-9068公式サイトはhttp://www.am-j.or.jp/index2.htm 全国の教会や教育機関からの支援をお待ちしている。
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