« 日曜ミニコミ誌!/第7回文学フリマに行ってきた | トップページ | ●サイテイ車掌のJR日記/朝夕の満員電車、概観 »

2008年11月17日 (月)

書店の風格/第22回 マニアをオシャレに演出する渋谷リブロ

 道玄坂を登っていると、若者の匂いがむせ返ってくる。立体的な構造をした街・渋谷にふさわしい書店を挙げよと言われたら、このリブロを真っ先に思い浮かべるだろう。デコレーションケーキ風に積みあがる棚作りを任せたら、リブロの右に出る書店はないと思う。

 渋谷のリブロはパルコ1、地下1階にある。エスカレーターを降りると、自然と右のほうへ足が向く。本棚のビビッドなオレンジが目を引くからだろう。一般書コーナーでは書籍の人気ランキングを飾った棚が主役。話題書、新刊が一緒に配置されている。11月13日に伺ったが、気になったのは書店中ほどの特集棚だ。手作り服の本、編み物の本と、一見女子的なもので構成されている棚の一番目に付くところにあるのが、『鉱物アソビ 暮らしのなかで愛でる鉱物の愉しみ方』(P-Vine Books) 。鉱物の本? 「鉱石(イシ)好き少年少女のための待望のヴィジュアルガイド本!」というアオリだが、なんてマニアックなんだ。しかしコンセプトとは裏腹に、装丁はすごく洗練されている。「DIY」というと、農業だったり工作だったりと無骨なイメージがあるが、トータルでオシャレに手作りの生活を楽しむことを目的とした本を集めた面白い特集棚だ。

 さらに店内を見ていると、アクリルの正方体に挟まった一冊の本が目に留まった。『団地巡礼 日本の生んだ奇跡の住宅様式』(二見書房)。なんと団地の写真集である。世の中色んなマニアがいたものだ。透明アクリルの棚に収まっているから、端の本は表紙まで見せることが出来、よりアイキャッチが効く。デコレーションケーキ風の棚とは、このアクリルを使った棚のことだ。正方体のアクリルに本を積め、時には表紙を見せて飾り、それを平台に積み重ねていく。そんな棚が店内に数点あることで、独特の立体感とスタイリッシュさが醸し出されるのだ。

 そして美術書の豊富さは素晴らしい。独立してはいるが地続きの「ロゴス」である。デザインやアートの洋書が表紙を見せた陳列で贅沢に並ぶ。片っ端からパラパラめくっていると、誰でもおなかいっぱいになれるバイキングに来たような感覚に陥る。本を買おうと買うまいと、ぐるっと一周するだけで満足できてしまう、不思議な本屋さんだ。

今の時期は手帳やカレンダー、そしてクリスマスプレゼント用の本が豊富。雑貨屋さんもいいけれど、ここなら他の人とは違う逸品が見つかるだろう。
(奥山)

|

« 日曜ミニコミ誌!/第7回文学フリマに行ってきた | トップページ | ●サイテイ車掌のJR日記/朝夕の満員電車、概観 »

書店の風格」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 書店の風格/第22回 マニアをオシャレに演出する渋谷リブロ:

« 日曜ミニコミ誌!/第7回文学フリマに行ってきた | トップページ | ●サイテイ車掌のJR日記/朝夕の満員電車、概観 »