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2008年10月16日 (木)

アフガン終わりなき戦場/第3回 悪化する治安(1)

Pc064110_edited1_2 『記録』がWeb版に移行したこともあり、アフガニスタンの歴史やこれまでの経過を経験も交えておさらいしてみようと思う。2006年から取材を始め、本誌に寄稿してきたが、この間のアフガニスタンの状況は転がり落ちる悪化の一途を辿っている。

 今年にいたるまで、タリバンの再興、増加するケシ栽培、旱魃による飢餓、戦死者や民間人の犠牲の増加など、状況は好転の兆しさえ見えない。日本でも大々的に報道されたニュースだと、2007年7月18日に韓国人の援助団体23人が誘拐され、今年にはペシャワール会の伊藤和也さんがタリバンとの関連を主張するグループに誘拐、殺害された。

 2001年に9月11日にアメリカ同時多発テロ事件が発生し、アメリカは10月7日に武力侵攻を開始した。アメリカの侵攻時には日本でも大々的に報道されたものの、その後はメディアの注目も薄れていった。戦争後は「復興しているのではないか」という漠然としたイメージだけが残り、アフガニスタンという存在自体が忘れ去られていった。89年のソ連撤退から始まる内戦は、外国軍の介入など耳目を引く要素が無かったため「忘れられた戦争」と呼ばれた。現在のアフガニスタンも日本人が関係していれば報道もされるが、以前の内戦と同様に「忘れられた戦争」になっているのではないか。

 2004年には選挙によりパシュトゥーン人のハミット・カルザイが選出された。民主的な選挙を標榜していたが、「民主政治」というもの自体に触れたことの無かったアフガン民衆は混乱し、ロヤ・ジルガ(アフガニスタンの国会にあたる。パシュトゥーン語では「大会議」を意味する)は殆どがアメリカ侵攻時に協力したタジク人やウズベク人などアフガニスタンの非多数派に占められた。人工の40パーセントを占めるといわれる多数派のパシュトゥーン人は議席で少数派となった。不正選挙との声も大きい。各省庁でもタジク人やウズベクが実権を握っている。これまで民族対立が少ないと言われていたアフガニスタンで、民族間の関係悪化が先鋭化した。

 わたしの友人のパシュトゥーン人も民族間の感情の悪化を肌で感じるという。彼は25歳で、再建・発展省で働いている。
「ちょっと昔までは民族間での通婚も当たり前だったんだ。けれど、最近は役所でパシュトゥーン人だからと長く待たされることも多い。でも、こんな風になったのはつい最近なんだぜ」
 アフガニスタンでの民族対立は、アメリカに協力した北部同盟側のタジク人やウズベク人が優遇されていることに起因している。マジョリティーでありながら、権力からはじき出されているパシュトゥーン人の不満は大きい。(白川徹)

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