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2008年9月 9日 (火)

サイテイ車掌のJR日記/8月28日、深夜の豪雨

○月×日

 寝たかと思ったら大音響の雷だった。28日、11時頃だったろうか。まるですぐそこで何かが爆発でもしたかのような、これまでに聴いたことがない、ホント凄まじい音だった。
 9時頃からどしゃ降りになっていた。それはいつもとは訳が違う超強烈なヤツで、「今夜トマ(泊まり勤務のこと)の連中は大変だろうな。これじゃただじゃ済まないよな」と同僚にメールして寝たくらいだ。
 出番ではなかった私は、寝入端をくじかれた悔しさも手伝い「荒れろ、もっと荒れ狂え。雷よ、おれに落ちてみろ。おれの身体を直撃してお前の電気ショックでおれの腰痛も五十肩もみんな治してみろよ。それが出来るんなら、ちょっとの安眠妨害や痛さも、大災害だって許してやろうじゃないか。えっ、どうなんだ」などと、ほんとは恐いくせに強がってみたりと自分自身もゴロゴロしていたら、いつの間にかまた深い眠りに落ちたのだろう。

 すると、今度は深夜の2時頃だったか。とにかくもの凄い音だった。それも何度鳴っても遠のく気配は一向にない。家の窓はガタガタと音を立て、地響きでマンション自体が何度も揺れた。
 こんなことはこれまでなかったことだ。いつもの雷なら、遠くでゴロゴロという低い音で鳴っているか、上空から急降下するみたいなバリバリという金属的な音かのどっちかだが、この時ときたら地上から突き上げるようなドドーンという「ン」にも濁点をつけたくなる巨大で重量感のある大爆音とでもいうのか、実はそんなことを分析している場合ではなく、「頼むから早くあっちへ行ってくれよ」と、もうただ寝かせてほしいだけなのでありました。

 で、5時半頃に寝不足のまま起き出して、カーテンを開ければいつもの朝。雨はすっかり上がっていて、青空まで覗いていたのにテレビをつけるとびっくり仰天。
 外の眺めは何の変てつもないというのに、ここ東京多摩では1時間に100ミリを超す記録的な豪雨ということだった。しかも、テレビのニュースは八王子のオンパレード。中央線の高尾駅では近くの川が氾濫して駅構内が浸水していた。水は中央線の車輪の半分くらいまで達したのだという。車輪の直径は約90センチと聞いているから、人でいえば膝の辺りまで水浸しになったということになる。信じられないが、泥沼と化したわけだ。高尾の一つ先が相模湖という駅だが、本日の高尾は高尾湖という駅に改名、というのは冗談にしても、これでは電車は動かない。
 また、高尾に隣接する京王線は崩れた土砂に乗り上げて脱線するという大事故。さらに、周辺には避難勧告が出され、住民が深夜に避難するなど、まさに大災害であったのだ。
 中央線は前夜から八王子以西はストップしていて、この日は始発から八王子~大月間が運転見合わせ。東京~八王子間の折り返し運転とし、本数は通常の半分程度。全面復旧は13時頃を見込んでいるとニュースでは言っていた。従って、朝のラッシュは大混雑。誰もがウンザリ、朝から疲れ切ったことだろう。

 私は夕方からの泊まり勤務だったが、信号トラブルや速度規制があったり、夜にはまたも雷雨となり、結局終日乱れに乱れ、通常ダイヤに戻ることなくヘトヘトで幕を閉じた。
 人間は大気などの自然を操作することは不可能だろう。自然は受け入れ、うまく利用するか、被害が出ればそれをいかに最小限にするかしか対策はないと思うが。
 いずれにしても、8月は雨が多かった。終盤はほとんどの日が雨に見舞われたような気がする。しかも降り出すと半端ではない。中央線の輸送が安定していたのは中旬の何日かで、気象の影響以外にも何かしらの事故でしょっ中乱れていた。
 また、中旬頃からはいきなり涼しくなった感じだ。たまに太陽が顔を出しても、真夏の鋭い日差しが戻ることはなく、夏と秋のはざまにしてはすっかり秋の気配が漂い始めていた。

 私は先日も東京を3日ほど留守にした。いつもの帰省だが、夜に戻ってちょっと驚いたのは、窓の外では秋の虫が一斉に鳴いていたことだ。もうそれだけで「ああ、夏は終わったのだな」と、何故かしんみりとしてしまっていたのだった。
 これといって特別なことは何一つしない夏だった。旅行やレジャーの休暇も取らなかった。今や仕事の一つとなった施設にいるおふくろの様子を見に行くための帰省を2度しただけで、毎月と何も変わりない。
 そんな夏、8月も今日で終わる。どうであれ、まずは無事に乗り越えられたのだからそれでいい。日中は晴れ間もあったが夕方からまた雨だ。テレビでは多摩地方は大雨洪水警報だといっている。またかよ…。
 さあ、明日から9月だ。時はどんどん過ぎて行くだけだが、実り多き秋であってほしいと心から願っている。(斎藤典雄 9/1記)

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