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2008年9月 6日 (土)

書店の風格/第18回 神保町をギュっとね! 本のすずらん堂

 由緒正しき古書店街の入り口である神田すずらん通り。その中核に佇む新刊書店が、本のすずらん堂だ。店内商品のほとんどがビジュアル系で、コミック、アダルト向け写真集、ゲーム雑誌など男の子の胸をときめかせること間違いなしの品揃えである。店内入ってすぐ右の棚には、一風毛色の違う社会問題や政治的な色合いの濃い本も置いてあるのだが、じつはものすごく選び方が秀逸である。不健康な中の健康さとでも言い表そうか(まったく日本語としてなってないが)、普通の男の子の感性ではボーダーラインをちょっと越えてしまう、という雰囲気のものが一冊もないのが素晴らしい。イマドキのネット男子なら「ここは抑えときたかったんだ」と手に取ること必須の、アキハバラ本、靖国本、犯罪本、下流本エトセトラ。男性のツボを心得ているといえる書籍担当者のセンスには脱帽だ。

 そんな感激を胸に、店内に華開く磯山さやか、安めぐみ、安田美沙子らに見守られながら(もしかして理想的な職場なんじゃないだろうか)階段を上がると、そこはDVD売場。1階の本屋、2階のDVDと、完全に売場が分かれているのだ。もはや男の園。ああ、きっと男だったらこのパラダイスは甘く受け入れることが出来るのに、いくらアイドル好きでも女では門外漢である(この場合「漢」でよいものか)。講談社の面接で「最近読んだ本は」と聞かれ「『月刊現代』です。とくに香椎由宇のグラビアが良いと思いました」と答えた奥山も、ここでは邪魔者である(その面接自体は成功だったが、『月刊現代』はもうじき終わってしまう)。では何故そこに来ているのかというと、きっとこちらのお客さんが喜んでくれるであろう企画を持ってきているからで、要するに営業である。書籍仕入れの方も、こちらの意図を分かってくださったようで、にこやかに応対していただいた。厳選に厳選を重ねた工夫が見られる棚づくりをしている担当者様に認められれば、本だって生き生きと輝いてくるだろう。頑張って、良い仕上がりにしなければならない。

 ちなみに、最近心惹かれてしまった本に『妄撮』がある。女の子の服の下を妄想するという男子のココロを具現化させた写真がいっぱいなのだが、すごいのはそれだけではない。かわいい系からカッコイイ系まで、旬のモデルやアイドルが23人も参加した豪華な本なのである。23人もいれば当然脳内に全く情報のないモデルさんもいて、「この子は一体どういう娘なの??」と、自分の発掘魂をくすぐられてしまう。そんな時にすずらん堂のような本屋さんはかなりありがたい。帰ってネットで調べるより先に、調査項目がギッシリ詰まったものがそこかしこに積んで、飾ってあるのだから。一日中いても飽きない、探求心くすぐられる書店である。(奥山)

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