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2008年8月26日 (火)

サイテイ車掌のJR日記/ライブ

 告井延隆(敬称略)のライブを酒田で見た。
  「誰それ?」という人が多いと思うが、名古屋を活動拠点とする「センチメンタル・シティ・ロマンス」(以下センチとする)という名前からしてシビレてしまうバンドのリーダーで、ロックファンの間では知らない人はいないはずだ。
 結成して早30年以上、今となってはメンバー全員おっさん。でも現役バリバリバンドで、超がつくベテラン揃い。告井の担当はボーカル、ギター、ペダルスティールなどなど、卓越したテクニックに聴き惚れるファンは多い。
 私もデビュー当時からの大ファンで、日本のバンドの中では「はっぴいえんど」と共に、これまでにもっとも聴きまくった部類でもある。
 はっぴいえんどがねちっこい重厚なサウンドだとすれば、センチは飛び抜けた軽快感があり、はっぴいえんどはレールウェイ、センチはハイウェイがよく似合うと私は兼ねてから思っている。
 その告井が今年3月にビートルズの完全コピーという初のソロアルバムをリリースした。タイトルは、「SGT.TUGEI'S ONLY ONE CLUB BAND」とほほえましい。

 問題の中身はなんと!! ビートルズの各パート(ギターからベース、ボーカルなど)をアコースティックギターたったの1本で、多重録音なしの一発録りで表現したという意欲作。
 その宣伝を兼ねての、これまた初のソロライブ全国ツアーの一環で東北の田舎町、酒田にも寄ってくれたというわけだ。
 で、興味津々で会場へ。「ごめんね、告井さん」、田舎のライブハウスだから、いろんな意味で勘弁してほしい。でも、観客は超満員。といっても30数人だっぺ。やはり50~60代のビートルズ世代がほとんど。そんなことより、チケット代はワンドリンク付きで2500円という安さでびっくりだよ値。お店は告井にギャラを払えば儲けなし(だと思う)で呼んでくれたマスターにも頭が下がるし、感謝だ。
 でもって、待ちに待った開演である。アコギ1本での完全コピーのからくりは、ギターのパートは勿論のこと、その曲の特徴的な部分あるいはイメージを単音やストロークなどをふんだんに駆使して取り入れていくといった手法とでもいえばいいのか。

 誰もが皆、静かにうなずきながら聴き入っていましたね。目の前に広がるのはビートルズそのもの。目を閉じても頭の中はビートルズ一色。遠い昔の青春の思いも通り過ぎていったよね。すばらしいほど幻想的で、美しい旋律には心の芯まで和み、こんなに安らいだことはあっただろうかとさえ思ってしまうのでありました。
 このように、ビートルズには知らず知らずのうちに私の文体まで穏やかなものに変えてしまう不思議な力があるのだ。そればかりか、今現在でも、芸術や文化のみならず各方面に多大な影響を与え続けていることは今や誰もが認めているといっても過言ではない。
 それでは、今何故告井はビートルズなのか。ビートルズでなければならないのか。それは告井のルーツがまぎれもなくビートルズであるからに他ならない。告井達の年代(彼は57才)でビートルズの影響を受けていないミュージシャンはまずいないといってよい。告井の身体にはビートルズが人一倍強烈に染み込んでいて、それを表現することで吐き出さずにはいられなかったからだろう。

 最後に、この記念すべきライブのラストを飾った曲は、センチの初期の作品「庄内慕情」であった。「さよならね、元気で、元気でね」という歌詞で終わる歌。なぜかしんみり。観客からのリクエストに応えてくれたのだが、この庄内とは名古屋なので悪しからず。
 さんきゅべりべり。センチ・告井はいつも2度おいしい。庄内の地、この酒田にまたきてほしいという願いを込め、改めて拍手。(斎藤典雄)

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