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2008年8月21日 (木)

サイテイ車掌のJR日記/トップの召喚

 葛西敬之JR東海代表取締役会長が証言台に立つ。
 来る6月2日の鉄建公団訴訟控訴審において同氏の証人尋問が行われることになったのだ。
 JRのトップが出てくることなどこれまでの長い裁判闘争の中ではなかったし、全く予想外であったことからも非常に画期的なことであり、極めて重要な意義を持つ。その衝撃は計り知れないほど大きい。

 これは、原告・弁護団が氏こそ適性証人の最たる人物であるとしてかねてから強く求めていたもので、去る2月15日の同控訴審の場で決定されたもの。
 裁判長が「葛西証人を採用します」と告げた瞬間、法定内はどよめき、歓声が沸き起こったというが、ここへ来てようやく、国労が不当労働行為の張本人だと信じてやまない氏が尋問されることを、まずは喜びたい。

 国鉄関係者であれば葛西氏を知らない人はいないが、JR東日本の松田昌士氏、西日本の井出正敬氏両元社長らとともに「国鉄改革3人組」と呼ばれた主導者の1人で、当時の国鉄本社職員局次長だった人だ。
 JRになってからは東海の役員となり、95年社長に昇格、04年から今の会長を務めている。また現在では国家公安委員、教育再生会議委員、さらには年金業務・社会保険庁監視等委員会委員長などの公職も務める政財界の要人だということだ。

 そうした人物だが、職員局次長時代は特に組合対策では最前線で主導的役割を果たし、原告ら国労組合員などの職員管理調書での格付けやJR採用者名簿を作成するなど人事選考課程に深くかかわっている。

 それらは、氏自身が書いて出版された国鉄改革をめぐる2冊の著書である「未完の国鉄改革」(01年刊)、「国鉄改革の真実」(07年刊)に当時の内幕を得々として綴っていることからも、JR採用差別事件の実態を国鉄当局から調べる上で氏ほどの現役適任者は他にはないのかもしれない。

 いずれにしても、葛西氏の尋問により、国鉄による国労嫌悪の不当労働行為意思、および、採用差別、清算事業団解雇にいたる一連の不法行為の全容を明らかにして、全面解決の実現を勝ち取るしかないわけだが、葛西氏はいかなる戦略をもって出てくるのか。おエライさんの中でもトップクラスの人だから気負いはないだろうが、被告弁護団とは相当綿密な謀議を重ねているに違いない。

 さぁ、正義は勝利できるか。事態はここに来て一気に緊迫度を増してきた。闘いにもいつかは必ず終わりが訪れる。終わりはそう遠くないのかもしれない。しかし、悔いだけは残したくない。国労はまさに総力を挙げる時だろう。奮闘するしかない。(斎藤典雄)

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