« 冠婚葬祭ビジネスへの視線/第25回 生前葬自己プロデュースのススメ4 | トップページ | 元乙女のゲーム生活~上半期ベスト乙女ゲーム »

2008年7月28日 (月)

『記録』8月号告知と発行困難のお知らせ

『記録』08年8月号が、本日に販売になりました。
 今月の特集は、「月刊『記録』の歩み」です。いくら来年で30周年を迎えるとはいえ、特集で己の雑誌の歴史を書くのは特別記念号でもなければ反則技でしょう。しかし、これには深い訳があります。詳細は、文末に掲載した「『記録』続行困難のお知らせ」をお読みくださいませ。

 さて、気を取り直して連載内容についてですが、やはり本誌の夏の風物といえば奥津裕美が報告する「みたままつり」でございましょう。今年はお化け屋敷。いや、侮れませんよ、靖国のお化け屋敷も。英霊のおかげなのか(?)かなり怖いです。

「忘れられたアフガン国内避難民」を連載する白川徹さんの今回の原稿は、アフガニスタンでの米軍従軍取材。軍が行う人道医療支援の実態を内部から告発。いや、怖さはお化け屋敷どころじゃありません。「米軍にとって、『人道支援』という美しい言葉は、戦術の手段でしかないのだ」という白川さんの一文に深く納得。

 知ってましたか? ソ連時代の医療と教育が有料だったって! 私は今回の鍋元トミヨさんの連載「チェチェン・死と瓦礫を乗り越えて」で初めて知りました。ロシアがソ連化しているといわれる昨今、ソ連の実情を教えてくれる鍋元さんの記事は刺激的です。

 というわけで今月もよろしくお願いいたします。
 引き続き、本誌6月から連載中「『記録』続行困難のお知らせ」をどうぞ。

*********************************

●『記録』続行困難のお知らせ(月刊『記録』へ3回にわたり連載)

【第1回】
 月刊誌『記録』の創刊は1979年4月。したがって来(09)年には30周年を迎える。休廃刊が当たり前の雑誌の世界では比較的続いてきたのではないだろうか。
 しかしここへきて経営状況が危機的な状態に瀕している。実は小誌の続行困難は今回が初めてではない。創刊以来の前発行人が休刊を決めたのを小社が引き継いだ時と2000年にそれまでのB6判64ページという一応雑誌らしい装丁から現在の形式へ変更した時などだ。それでも何とか続けてきたのだが、ここ2年ほど売上が芳しくなく赤字が積み上がり遂に「危機的な状況」と読者の皆様へ告知せざるを得なくなる事態へ直面した。
 こうなった最大にして唯一の理由は私を筆頭とする編集部の力不足であるのはいうまでもない。「常に弱者、少数者の立場にある」との創刊以来の編集方針はいまだ古びていないどころかワーキングプアの深刻な生活状況や格差社会の進展など昨今の社会状況を考え合わせるに、むしろ必要性は高まっているはずである。にもかかわらず誌勢を伸ばすどころか保つさえおぼつかない自らの不明を恥じ入らずにはいられない。
 ここで読者の皆様に甘えて窮状打開の応援を仰ぐというのも考えた。しかしそれは以前に行っている。そこでいただいた温かな支援にもかかわらず今日があるという事実に直面し「それはできない」と判断している。30周年を目前に最後の模索を自助努力でなしたい。その状況を誠に誌面汚しではあるけれども今後ご報告していくつもりである。                

【第2回】
 赤字を理由に休刊および廃刊にするのはたやすい。しかし曲がりなりにも約30年続いてきた雑誌を終わらせていいのだろうか。それがどうにも引っかかってなかば意地で刊行してきた最近2・3年だった。
 値下げも考えた。現在の値段が高すぎるのは承知している。しかし半額にすれば読者は倍増するであろうか。残念ながら展望がまったく開けないまま今日へと至る。
 加えて前発行人の庄幸司郎氏との約束も重かった。休刊を決めた庄氏に復刊を願い出たのは小社である。その際に庄氏は「紙1枚になっても出し続けてほしい」といわれた。すでに故人である庄氏だが約束まで消滅したわけではない。「紙1枚」でも……。なるほど文字通りそうするのは可能であろう。だが庄氏の意図はそこではない。 要は自分(発行人)が止めると決めた雑誌を復活させたいならばそれなりの覚悟を持てとの意味であろうと推察する。それらしき何かを必ず続けよと。
 庄氏は復刊を「精神のリレー」とたたえてくれた。ここで我々が休刊しても後を継ぎたい者は残念ながらいそうにない。となると本当に終わりである。といって紙一枚を申し訳程度に出すのは前述の通りアリバイ作りのような行為に過ぎず現実問題として無意味でもある。
 このようにして論理的に行き詰まったまま赤字の拡大とくにランニングコストの恐怖は小社の経営を揺るがすまでになった。母体がダメになれば結局は発行できない。といって発行をやめて小社が残れば前発行人に顔向けできない。袋小路に陥ったがわずかながらアイデアはある。

【第3回】
 現在、WEB上で「月刊『記録』編集部」というブログ(http://gekkankiroku.cocolog-nifty.com/)をほぼ毎日更新している。最初は私個人の考えなど綴っていた。そのうち「元々が『記録』の宣伝目的なのだから」との理由から編集部員も書き手に加わって今日に至る。
 宣伝が目的とはいっても毎日毎日「今月号の『記録』はすばらしい」ではもたない。そこで曜日ごとにおおむね担当を割り振ってテーマを決めて書くようにした。としても宣伝する要素が連日あるはずもないので、いつの間にかルポなぞ始めた。元来がその手の輩の集まりだから必然的にそうなった。
 するとアクセス数もさらに上昇して今では当初予想もしなかったレベルに達している。
 ブログとは簡易型の日記で、小社のような長い記事で連日報じるというスタイルには合わないメディアとされている。事実としてコメントもあまり付かなかった。アクセスしても長すぎてすぐに読み止めたか、逆に全部読んで「なるほどね」と納得されてコメントを残すまでもない……といったところ。
 その様子も最近変わってきて気軽に書き込みをしてくれる読み手が出現してきた。ブックマークして下さっている方は『記録』定期読者よりも多いかもしれない。
 だとしたら。どうせ1冊100円にしても売れない雑誌ならば、というかその値段で売れても赤字の雑誌ならば、いっそ無料でネット上で披露したらいかがだろうか。読者の反応もわかるし連載をまとめて出版する際のマーケティングにもなる。現在考えている方向性だ。

というわけで紙で発行してきた『記録』を当ブログへ移行しようと考えており現在作家の方々と話し合っております。そのため、さまざまな試行錯誤をすでにブログ上でも始めています。例えば移行となるとコメントやトラバの扱いをどうするか。鎌田慧さんの記事にエロサイトのスパムトラバが付いていたら編集部真っ青。斎藤典雄さんの記事に公安も監視する某団体からと推察される恐怖のコメントが付いたら中央線の運行が危うい……など編集部だけで書いていた時には考えなくてもよかったセキュリティの問題をニフティと話し合って最善の策を取るつもりですし一部試行しています

またレイアウトがこのままでいいのかという大問題もあります。今後何度か見苦しく?着替えるかも知れません。ご承知いただければ幸いです(編集長)

|

« 冠婚葬祭ビジネスへの視線/第25回 生前葬自己プロデュースのススメ4 | トップページ | 元乙女のゲーム生活~上半期ベスト乙女ゲーム »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

あ~どうしようっておもったので補足しましたが、新聞ではなくアクマでBS(今の筆頭出版社)まわりでは、どうしようっておもったのです。男性性過ぎるのではないでしょうか、性差ってすごく在るとおもうのです、有るではなくして、いや全然邪推止まりではなく、その創業者の方ってひたすら在る、永遠に有りたいという気持ちがあったんじゃないでしょうか、当然有益という意味ですが、弱小の真摯かつ地道な活動の記録を、にわかには信じられないかもですが、瞠目しているのです。私もそうとは判るかたちでは使いません、というか大畑さんのは大畑特許というくらいの存在(記事のみ)なので、しかしそれでも使用させてもらっていたのでその恩義で応援せざるをえなく、で、私は二千円でも己のエゴ100%、すなわち妻子をはなれて月刊記録の愛読者ってそうではありませんか、その為に買い続けるつもりですってのは流石に私的ですけれど、弱小の自負・誇りこそ貴社の存在意義だとお考えになりませんか? 端的に(面倒くさいので)、もしネットは無料で努力の意義(むしろ社員に対してですね)を放棄するなら、私回りもうみないとおもいます(これは古いかもですが、ネット上の自称作家にロクなものはありません)。良質、江戸っ子の誇り、これは想像の他ですけれど、大畑さんの全文って、自由はどこにもない、自由というのはそもそも、社会すなわち独裁者におけるニッチのパッシングショットを指すわけで、決して個人の自由意志を指すわけではない、英語でいうならリバティーとフリーダムの差異であって、だからこそ腹の底でせせらわらって、これはこの雑誌の責任者の度量に甘えてでしょうけれども、根本の差が文章にハッキリにじみでいる、法律的とオナニー的のちがいといってもいい、何のためにホームレスを(買って、読みました……)取材して尚、フリーダムの方向性になるのかしら、十代ではないのです、ビジネスマンなんでしょって、ルポをされていたmさんはジャーナリスト失格です、なぜって弱者の視点では一貫してなかったから、けれども葬儀やゲームや同人誌やってそういうのを地道に表現されているのは、あと何十年後になって輝いてくる気がします(現にこれほどまでに無償で愛されているのですから、とうぜん異性は性差ぬきで、詩ね編集長とかの悪たれも本心から叩くしたたかれて当然ともおもいますが)、判らないのは単に私が固定観念のタナボタってだけの話であって、文章はひとを勇気づけます、大畑さんの文章を読んでどれだけの男子が自殺をいま、おもいとどまっていることか(私も同世代ですから大宅壮一の良心の著作をと……)、ジャーナリストにおける文章ってなにか、言質以上のモノじちですよ、証拠、次世代をはげますものだとおもいます、ネットは無差別の匿名世界でこれほどまでに馬鹿にされ続けているのですから、数年前の気概で気組みと良心100%で……今30秒間両目を閉じて(気合いでもって)祈りました。女性陣筆頭のユルい記事を書かれている方は、ポスト山口洋子ともおもいましたし、知らない世界で感嘆させられましたし、ヤキが回る=ネットで無料公開する、或いは先代の意志を蒸しするだけのご意志があるのなら、こんな無差別的な無料ブログはすっぱり辞めるべきかも、プロは銭をとって後ろ指を末代まで指され続けなければ……、ハッキリいえば少年たちだって馬鹿じゃない、本物の石原が出たから切腹しますって裂帛さが欲しいのですよ、少年って偽善、なかんずく大人の言い訳にはナイーブ(繊細、ではなく神経質)になりますし、もともとジャーナリズムって反骨、借金何億の、アンチ坂本龍馬は三菱の世界ではなかったのでは。では、では無責任なので、セックスレス特集やってごらんなさいな、記者のテーマは現時点でもっとも一般がホッしていることを内臓エグるようにやることだって、僭越ながら、貴方の将来を心配しつづけている牧太郎氏(毎日新聞、みてなかったらみてごらん、私は、彼の後輩で、いまや何の関係もないですが)も妥協はいかん、そうぽろっと仰っていました。

投稿: 真北巻蔵 | 2008年7月29日 (火) 00時51分

前記本気で興奮していましたので、補足しますけれども、アンチ江戸っ子は大畑さんの、邪推に近い私見ですけれども「宵越しの~」みんな職人でインフレもなかったけれど明日の収入はキッチリ確保できるインフラが有ったため「銭湯の上座は~」あるいは「てやんでえ気質は大江戸の~」は、単に関東ローム層でカルシウム不足から来ているため(地質からしてロンドンっ子の短気さとは別)、勝小吉は本所に在りこと従って「名前も地位も~」訊くわけもないそれが都会っこは最低限の慎み即ち武士からえたひにんまでが平等に寺子屋で学んでいた弱者こそ尊重するのが江戸っ子町人文化、の対極が逆さま箒はアンチ新撰組で二回誘われたらさんべん断る、男はさんべん断られた女を四回誘わないのは野暮の骨頂、京文化への意味無い反発で、ひるがえって大畑論は、一貫して裏地に絹を張るのは意気地でもなんでもない、背景が絹地の衣装にするのは町商人お取りつぶしがあるから結論、いわゆる江戸っ子の粋は裏地には存在しない、カブキ、傾いてナンボのロハで命を売りましょうが成熟ということ、裏地のひけらかしはカッペ文化のツラッパリ、で、やっぱりルポの防腐度を真摯におかんがえになっているというのは現マスコミの定説で、ファンは買います良質ならば━━、もともとリバーシオセロの世界であって、ギャンブラーはせこくせこく張っていきますよ大勝ちだけはしないようにって、記録は群を抜いて良質です、安っぽいネットさらしは百害あって一理だとおもって止みません、端的の私感では予科練ばりのロハで自己存在を訴求するくらいならいっそ廃刊してしまった方が清々しい、ですからどうぞ、メゲることなくご継続なさってください。

投稿: 真北巻蔵 | 2008年7月29日 (火) 02時49分

経営トウシロウのくせに百年早いといえばそれまでなのですが……、って今さっき数十分、じっと思い屈していて否、ネットで金目の本文をロハ流しする代わりに、新たな雑誌を創刊されるなら深謀遠慮ならば乾杯です、おわり。

投稿: 真北巻蔵 | 2008年7月29日 (火) 03時04分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/122338/41983305

この記事へのトラックバック一覧です: 『記録』8月号告知と発行困難のお知らせ:

« 冠婚葬祭ビジネスへの視線/第25回 生前葬自己プロデュースのススメ4 | トップページ | 元乙女のゲーム生活~上半期ベスト乙女ゲーム »