日曜ミニコミ誌! 超左翼マガジン「ロスジェネ」イベントに行ってみた
去る(かなり去る)7月5日、ジュンク堂書店池袋本店にて行われた「われわれサヨクの存在証明-国家権力に抗うプレカリ×アート-」というイベントに行ってきた。現代の若者の労働問題を扱う雑誌「ロスジェネ」編集委員のトークセッションで、パネラーは編集長の浅尾大輔氏、編集委員の大澤信亮氏、増山麗奈氏、津田塾大学准教授の萱野稔人氏。事の発端は筆者の軽はずみ。書店の風格第8回「模索舎で「ロスジェネ」を買う」という記事で「該当世代には高いんじゃないのか?」と発言したところ、増山氏から丁寧なコメントが返ってきた。しかも「反省してます」とまで書かれており、大変恐縮した。増山氏をおいてどの雑誌の編集委員が、たかが小出版社のしかも営業担当者が書いた不用意な呟きに、このように真摯な形で誠実に接してくれるであろうか。あわせてこちらはもっともっとあり得ない形の雑誌(16ページ480円)を出しているというのに・・・。
こちらも真摯な態度を示すためには本誌を持って謝りに行くしかない!! そして正直、いつも増山氏が身にまとっている桃色の衣装も見たいぞ! といういささか不純な動機で、ジュンク堂へと向かった。
トークセッションでは画家でもある増山氏が、ピンクのノースリーブシャツにチュチュ(?)、赤の編み上げブーツという超刺激的な格好でいらっしゃった。トークセッションは一人ずつ、どのような経緯で活動をするようになったのか、幼少期の傾向から順を追ってお話しして下さるという濃い内容となった。のち、環境、そして「左翼」とは何かという話になり、それぞれの意見を聞くことができた。
大変印象的だったのは、会場に男性が多かったこと。7割がたが男性で、女性がいても男性と連れ立って、というパターンが目立ち、ひとり者の奥山は仕事の関係で来たとはいえちょっとすさんだ気持ちになった。しかし自分のことなどはどうでもいい。自らの意志で来た女性はかなり少ない、ということにならないか。数えてみたところそれらしき人は3人。40分の3とは少ない。世代で区切った問題なのだから、感覚は男女共有であろうに。せっぱ詰まっているのは男だけなのだろうか? 女性は結婚や実家に行ってしまうのか、はたまた不遇を自己責任と感じてキャリアアップに切磋琢磨しているのか、他に興味の向くことが多いのか・・・うーん、謎は深まる。
そのあと増山さんにお詫び申し上げて、件の不穏な雑誌を渡したら「男の人だと思ってました」と言われてしまった。確かに(文章が)男らしいとよく言われる。
トークセッション後は、図々しくも座談会にまで参加させていただいた。残った20人の聴衆は、下は17歳から上は40代まで。参加動機はけっこう熱い思いがあってのことかと思いきや、「ジュンク堂に寄ったらたまたま(広告を)見かけて、面白そうと思って」という男性もいて、思想系のイベントにしては風通しの良さを感じた。自らも身を置いている若い世代に寄り添おうという編集委員らの努力のたまものだろう。
最後に私的妄想だが、「ロスジェネ」という雑誌名の付け方はうまいと思う。まず、見た目が可愛い。そしてかの大手新聞社が命名したネガティブな渾名を遭えて使うというのが、勇ましいではないか。違法コピーに挑戦するipod的な姿勢に似たものがある。
と、神保町の「Neolive」で散髪して貰いながらウロウロ考えてみた。(奥山)
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コメント
ロスジェネの雑誌名は私もいいと思いました。
大手新聞社が命名したロストジェネレーションという二重に借り物の名前を、
若者言葉的に略して親しみを込め、自分たちのものにし、
言葉をとり戻そうという意志を感じました。
投稿: 。. | 2008年7月21日 (月) 00時54分
。.さん、コメントありがとうございます!
貼られたレッテルはそのまま利用して、ペンキを塗りなおそうという意気込みがありますよね。
この雑誌を介して、もっともっと議論が活発になることを願います。
投稿: 奥山 | 2008年7月21日 (月) 17時48分