日曜ミニコミ誌!/全国ミニコミサミットin新宿に行ってきた
去る6月29日日曜日、「全国ミニコミサミットin新宿」という不穏な集まりが新宿はネイキッドロフトにて開催された。「日曜ミニコミ誌」というタイトル柄、日曜担当なので一週間報告が遅れてしまった。WEB時代になんとも悠長なことである。しかしよいのである、何の速報性もないのどかな話題なのだから。なんといっても「全国」と銘打っておきながら16団体しか参加しないという実態が一番のどかである。まあ、会場の規模から考えたら妥当もしくはありすぎるほどであった。純粋なお客さんも入れると80余人、狭い会場が溢れかえり、個性溢れる編集長のPRタイムには爆笑の渦が巻き起こった。これから、奥山の目で見た一部始終を報告したい。
当日15時30分。新宿駅に降り立つとなにやら騒がしい。洞爺湖サミットに向けてデモに励む人たちが行進しているのだ。どんなことを主張しているのか詳しく見てみたいのに、残念なことに行進はまるまる警官が取り囲んでいてメッセージが完全に見えない。見えるのは紺地に白の「警視庁」がたくさん。おじさんたちの背中である。音楽がガンガン鳴っていて声も聞きとりづらい。なんでこういうことをしているのか前知識がなければただの騒がしい集団としか思わないだろう。せっかくの運動なのに残念な話だ。などと考えながら一人与太与太ネイキッドロフトに到着する。するとそこには既にブースを構える人たちがいた。ミニコミ誌では老舗である「車掌」の編集長とライターの神田ぱんさんだ。車掌といいながら鉄道とは全く関係のない雑誌、今度この連載でも取り上げたいものだ。ご挨拶すると、「記録」本誌に連載があるJRの斎藤車掌をご存知との事だった。「最近連絡がないんですが、元気なんでしょうか?」と問われましたので、斎藤さん、連絡してみてください。
「車掌」のお隣に陣取ると、次に来たのが「酒とつまみ」の皆さん。「中南米マガジン」の金安編集長。さらに可愛らしい3人組の女性陣が名刺を手にやってきた! 中綴じ大好き(どういうこと?)と公言する「食パン」モグさん、「愛情通信」ヨンコさん、「minority」みじんこさん。そして次々とブースにご挨拶に来ていただいたのに、ゆっくりもっさりで内気な奥山は足の踏み場もない混沌とした会場の中で動き回る余裕がなく、お邪魔できないところが多かった…。本当にごめんなさい、誰も見ていないと思いますがこの場でお詫び申し上げます。
各誌PRタイムがはじまり、「記録」は早くも三番目に呼ばれた。16ページ480円、中綴じ表紙なしというものすごい雑誌だが、執筆陣はトヨタの期間工として働いた経験から書いた「自動車絶望工場」(講談社文庫)などが有名な気骨あるルポライター・鎌田慧氏、エロマンガ業界では有名な編集者・塩山芳明氏などがいること、そして常に弱い立場の人の視座に立った編集をしていることなどをまじめにアピってみた。しかしそれだけでは「記録」のよさは表現できない。これは私個人の意見だが、この雑誌は「続いている」というところに究極の美点がある。ホームレスに取材する人は山ほどいるが、10年以上ひと月に一人をとりあげて連載をするような人は神戸幸夫氏をおいて他にいないと思うし、その紙面をとる雑誌もここしかないのではと思う。連載が始まってから7年間、盆も正月も靖国神社を訪れている奥津裕美しかり。そんなことを伝えたかったんだが、一歩間違えると自虐に走ることになるのでやめておいた。ただ、各連載の面白さはちょっとくらい伝わったはずだ。
その後なんとか数冊売り、ほっと一息ついていると重鎮が現れた。「模索舎」設立者の五味さん。「模索舎」にはいつも置いていただいている上に、この世界に疎い私は存じ上げなかったのだが、「記録」再刊のときにお世話になったそうで、そんな恩人にわざわざ名乗らせてしまったことに恐縮しながら名刺を交換する。いただいた新聞記事を見ると、代表を務めていた「ほんコミ社」自主定年のあと、今はフリーで出版とエコグッズ関係のプロデューサーをされているようだ。興味深い生き方だ、と思う。
無事「野宿野郎」かとうちあきさんにもご挨拶を果たし、ミニコミサミットは終了。主張したいと熱い思いを携えた人々と交流できて、なんだかすごく元気になれた。心地よい疲労が全身を襲った。企画してくれた「シネマ秘宝館」斎藤館長、ありがとうございました!(奥山)
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