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2008年7月13日 (日)

冠婚葬祭ビジネスへの視線/第24回 生前葬自己プロデュースのススメ3

 「生前葬自己プロデュースのススメ」も第3回を迎えてしまった。べつにシリーズ物にするつもりもなかったのだが、書き始めたらたいへん長くなってしまった。もしかして生前葬って結構面倒くさいものなんじゃないか、と不安になりつつあるが、いやいやそんなはずはない。ポイントをうるさくつつきたくなるのが葬祭業界にいた者の性なのだ、多分。ほら、いるではないか。葬式が出るたびに仕切りたがるウザい近所のおやじが。ちょっとモノを知らないだけで目くじら立てたがる近所のおやじが。言うまでもなく、奴らがこの国の葬式を複雑怪奇にしてきたのだがそれについてはこれ以上触れまい。とりあえず生前葬。筆者は近所のおやじと同じくらい小うるさく言おう、「死んでないんだから自分の葬式くらい好きにやれ」と。

 今回は生前葬をする際の香典について。これには便利な対応策がある。会費制にしてしまうのだ。そのほか、気持ちとして持ってきてくれるという人がいたら受け取ればよい。ただ、この措置は自分に利益が出るようにというよりは、あくまでも招かれる側の心情に立ってのものだ。香典は要らない、参加費はこのくらいですと宣言することで参加者の不安を紛らわすためのものである。その意味でも、金額ははっきりと伝える必要がある。
 さて、いかほどいただくか。「普通に葬儀に参加するとして包むくらいの額」を基準に考えるとすると、友人や会社関係など親類でもない限り、都市部の場合は5000円が相場。田舎は3000円くらいだ。ん? 公民館を貸し切ってさよならの会をするだけで5000円? 高くない? と思うだろう。そう、香典は高いのだ。なぜってお返し代が含まれているから。焼香した帰り道にもらうお茶などがそれだ。49日を過ぎて送られてくる海苔などがそれだ。俗に言う香典返しだ。半額返しが相場と言われているから、2500円相当の品物である。しかしこの場で考えているのは自由奔放な生前葬。お土産を一切出さないという方針で行くならもっとぐっと安い金額設定にしないとボッタクリ感が漂ってくる。もちろんお土産を出すにしても香典返しの相場に引きずられる必要は全くない。参加費は自由に設定してよいのだ。準備にかかる経費なども総合して考えて無理のない金額で行こう。
 さらに言えば、香典とは金のかかる葬式に対して皆が出してくれるカンパである。ということは、実際に自分が死んだときに幾らかかるかも参加費のうちに入れて良いかもしれない。充分に預貯金のある人は別だが、火の車ならその分を上乗せしても罰は当たらない。葬式を済ませたとして他に必要なのは搬送費と棺代と火葬場の使用料。ざっとあわせて20万程度。さらに墓代…とか言ってるととんでもない額になるから、上乗せするにしても火葬代金くらいにしておこう。

 経費計算して参加人数で割って、よし会費が決まったとしよう。しかし、まだ招待状は書けない。なぜか。イベントにはあとの食事がつきものだ。仏式葬儀なら精進落とし、結婚式なら披露宴、二次会まである。それをどうするか。やはり式で終わりじゃ寂しいだろう。せっかく集まってもらったんだし、近しい同士で食を共にしたいではないか。と考えない人は別にいいが、そう考える人はまた経費がかかる。人の選別もしなければならない。会費も違ってくるだろう。次回はその処置について書こうと思う。ああ面倒くさいね。(小松朗子)

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