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2008年7月26日 (土)

書店の風格/第15回 放浪書房東急ハンズ銀座店で「野宿野郎」を買う

 放浪書房という書店がある。
 その名が示すとおり、全国を放浪しながら路上で本を売るというスタイルの本屋さんだ。売られる本のジャンルは、ひたすら「旅についての本」。古本、新刊、そして一般には流通しないミニコミ誌も加えて売っている放浪書房さんが、期間限定で屋根つきの本屋さんになるという情報を得て、銀座に向かった。
 足を踏み入れたのは、有楽町駅から徒歩1分の12階建ショッピングビル、マロニエゲート。洗練された品揃えのセレクトショップが並ぶ中、5階から9階は東急ハンズが独占している。7階に実用書重視の「ハンズブックス」ができたのは知っていたのでそちらに出店していると思いきや、ない。店員さんにお聞きしたところ、「9階でございます」とのこと。なぜ9階? と思ったら、自転車やテントが並ぶアウトドアスペースに放浪書房はあった。なるほど。旅をテーマにコーディネートしているというわけだ。
 スペース内レイアウトは、東急ハンズだけにかなりハイソな仕上がり。いつも本、本、本しか並ばない(当たり前なのだが)書店のレイアウトや、おしゃれだけれども手作り感あふれるブックカフェなどの店作りしか見てこなかったため、衝撃だった。流行雑貨屋の手にかかれば、古本も簡易本もぐっとこじゃれた表情を見せるのだ。
 まずは本。ここ最近yahooのトップページで紹介されたりとますます認知度を高めてきたミニコミ誌「野宿野郎」が1号から最新号まで面を見せてドンと並べてある。そしてこれも個人発行のミニコミだが本格的な装丁の「旅と冒険」が熱のこもったお奨め文つきでディスプレイされてある。あとは旅の体験記、旅というよりもどちらかと言うと放浪のためのノウハウ本。古本なら『もの食う人びと』(角川文庫)、新刊本なら『俺の旅』(鉄人社)、マンガなら吾妻ひでおの『失踪日記』(イースト・プレス)など、コンセプトにしっかりとこだわった品揃えぶりに脱帽。そして風情あふれる手製の絵葉書あり、作製元とコラボレートしたビーチサンダルあり、「商売していて楽しい!」というメッセージがひしひしと伝わってくる。
 そして地続きにアウトドアスペースが続いていくのが見事。並んだ本と同じ棚にリュックサック、パーカーがディスプレイされ、棚裏にはハンモック。飯盒炊爨用品。マウンテンバイク。本を読んで膨らんだ夢をかなえるため、「自力で、ちょっと旅に出る」ときの道具でいっぱいだ。アイデンティティを模索する学生はもちろん、お決まりの道を往復する毎日を送るお父さん方にも魅力ある空間となっている。こんな空間、きっと消費者は待っていた。都心である銀座という土地にさすらいの精神が融合して、程よい心地よさをつくりだしていた。

 私も一冊、と思い、当ブログでも取り上げられた「野宿野郎」最新号である5号を買ってみた。中身については編集長へのインタビューとともに過去記事で触れているのでここには書かない。筆者は生まれながらのインドア派なので旅には興味がないが、野宿くらいならいいかもしれない。たまに寝る環境を変えてみるのも悪くない。近所だったら財布持たずにすむし、そしたらカツアゲの心配もない。トイレにもすぐ行ける。飽きたらすぐに帰れる。うん、いいね。(奥山)

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コメント

無視・削除するな!!!
いい加減にしろ!!!
世界を変える様な優しい唄のブログ、どうにかしろ!!!
自動巡回で履歴汚されて迷惑してんだ!!!
あいつはTV出たりしているようだが、出演しているTV局にメール送ってもいいんだぞ!!!
返信しろ!!!

投稿: 匿名 | 2008年7月26日 (土) 14時39分

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