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2008年5月 3日 (土)

書店の風格/第3回 ときわ書房IY船橋店

 ときわ書房は本店をはじめ15店舗を構える、千葉県船橋市を中心に展開している書店だ。チェーン店とはいえ、それぞれの書店に特徴がある。例えば船橋駅南口から徒歩1分の本店は3階建て、老舗を思わせる風情を漂わせている。1階は雑誌、文芸、ビジネスなどの話題書が並ぶ。一般的な品揃えかと思いきや、サブカル系の品揃えにこだわりが見える。漫画論、風俗論、犯罪論などの本が並ぶ中、平積みされてある「たのしい中央線 vol.5」。ここは船橋では? 

51df0tuc3ol_sl500_aa240_  2階はさらにコミックとライトノベルが所狭しと置いてある。さらに3階はレンタルと、船橋の若者を支えるラインナップ。船橋にいながらにして中野にスリップしたかのような感覚がある。とにかく好みの本が多くて、2時間でも3時間でもいれる(仕事しろ!)。

 そんな「濃い」本店の裏、イトーヨカドー内にあるのがときわ書房IY船橋店だ。こちらはショッピングセンター内ということで、児童書中心の優しい優しいラインナップだ。児童書の棚の前にはスペースがゆったりとってあり、大きい絵本を開いてもそこかしこにぶつかる心配がない。なお、毎月第4日曜日にお話会が開かれたり折り紙教室があったりと、お母さんと子供に嬉しい空間が出来上がっている。

Ts3g0009  そして店内に珍しい案内版を見つけた。
 「アメつかみ大会!」
 本を買ったら整理券がもらえ、アメをたくさんわしづかみにして1位になったら図書券5000円分がもらえると書いてある。何とも豪華だ。
 「この大会は、ときわ書房全店でやってますよ」
 今回お話に応じて下さったのは、文芸書担当のKさん。今度出版されるケータイ小説『どこかで』のご案内にお邪魔したというのに、魅力的なイベントに惹かれてついついこちらが質問してしまった。話題をもとへ。こちらのお店では、ケータイ小説は売れていますか?

 「はい、やはり人気がありますよ。最近は小学生も、買っていきますね」

 「急激に売り上げが落ちてきている」といわれるケータイ小説だが、そんな事情は関係なく、売れるところでは売れているのだ。それにしても小学生とは恐れ入った。小学生でも『恋空』を読んで共感したり、泣いたりできるものか??

 「いえ、やはり小学生は恋愛ものよりも少しコメディータッチのものを好まれるようです」

 そう言ってKさんが例に出して下さったのが『妖精なアイツ』(スターツ出版)。出版社のサイトによると、自らを「妖精」と名乗る、ちょっとアヤしいイケメン高校生と主人公の女の子とのラブコメストーリーらしい。なるほど、売春だとか麻薬だとか自殺だとかいう過激な内容は出てこないようだ。コレなら親御さんも安心だろう。そして「まだ出たばかりですが」と紹介して下さったのが、ホラーものの『誓い』(双葉社)。同著者が書くホラーシリーズの最新作だ。

 「やっぱり、新刊が出たらそれから手に取る子が多いですね」

 若い感性は貪欲だ。次々と新しいものを求めていく。ということは、新しいものを出し続ければ、まだ勝ち目はあるということだろうか。
 おいとまを告げて、雑誌コーナーにチラリと目を遣った。ティーンズ向けの雑誌がズラリと並び、そして雑誌からとびだしてきたかのようなおしゃれ少女達が食い入るように雑誌を覗き込んでいる。彼女たちのフィーリングに溶け込んでいけたら、どんなに物作りはラクだろう。しかしそれはできない。できないながら、彼女たちの欲するものを敏感に感じ取って品物を取りそろえることができるお店もあるのだ。それは、若いお客様と日々接する中で生まれた書店員さんの感性が、自然と「売れるもの」に向かっているからではないか。そんなふうにも思えた。

 ご多忙にもかかわらずにこやかにお話を聞いて下さったKさん、本当にありがとうございました!(奥山)

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コメント

船橋はね、中央・総武各駅停車といって中央線なのよ。っていうか、レールはどこまでも繋がっているから日本全国が中央線なわけだよ、分かるかなぁ~

投稿: | 2008年5月 3日 (土) 05時35分

なるほど、確かに中央線だなっす!
さすがだなっす~

投稿: 奥山 | 2008年5月 3日 (土) 13時47分

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