大道芸を見る!~南京玉すだれ~
といって、すだれをさまざまな形に変化させて見せる芸、南京玉すだれ。唄は聞いたことがあるものの生で見たことがなく、一度でいいからどんなものか見てみたいと思っていた。
いつものように都内でやっている大道芸のリストを見ていたら、近くにある両国の江戸東京博物館の江戸東京ひろばで南京玉すだれが見られるということで行ってきた。
南京玉すだれ初体験の感想は、唄いながらすだれを国旗、釣竿、東京タワー、柳など自在に変化していく様が、見た目が太巻きを巻く簀巻きにしか見えないのに、すだれ自体に仕掛けがあるのは当然だしわかってはいるがおもしろい。小さい頃に自宅の簀巻きで真似をした記憶が蘇った。
演技が終わったあと、演者の高橋令子さんに話しを聞いた。
「この世界に入ったのは今から23年前です。師匠に芸を教えると誘われたのがき
っかけですね」
高橋さんは大大道芸研究会に所属しており、そこでは南京玉すだれをはじめ日本の伝統芸のガマの油売り、バナナの叩き売りなどの芸を伝承している。
修行の初歩は、「発声練習からです」ときっぱり。マイク使わなくても出せる大きな声、屋外でも通る声を出すには発声から始めることが大切だそうだ。
「もし声が小さくても、発声練習をすることで通る声を出せるようになるので大事ですね」。
発声の基礎を学んだら芸の練習。芸は自分がやりたいものを選び、その芸と平行して発声練習も続けていくそうだ。
やはり南京玉すだれといえば独特な柄の袴。
この袴を美しく着こなすために、高橋さんは日本舞踊を習っているそうだ。
芸で食べていくためにする努力を惜しまない姿は、これまで取材をしてきた人全員に共通する。日々の努力があるからこそ、芸の世界で20年以上活躍できている。努力を嫌う人が増えているが、小さな積み重ねが成功する秘訣だということを彼らが教えてくれる。努力をすることは格好悪いことではなく、舞台で最大限の力を出すためのプロセスだということだ。
そして玉すだれやバナナの叩き売りなどは、歳をとっても続けられる芸と高橋さんは言う。
「会長は現在80才を越えていますがまだまだ現役です」
80歳を超えてもなお現役で居続けられるというのは、芸の種類もだが、日々の鍛練と努力あってこそではないだろうか。
南京玉すだれはおもしろいので、もしやっていたら立ち止まって見てほしい。次はガマの油売りか、どうしても見たいバナナの叩き売りをぜひ見てみたい。(奥津)
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