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2008年5月14日 (水)

ホームレスが小社刊『ホームレス自らを語る』を読んでいた!

本当の話である。
都営地下鉄新宿線の新宿駅ホームには新宿三丁目側にいくつかのベンチがある。夜10時過ぎ、乗ろうとしてその周辺にいたところ旅装?といい出で立ちといい雰囲気(におい?)といい明らかにホームレスと思われる男性の方がその1つを独占して眠り込んでいた。
足は地につけたままベンチの背もたれに沿うように体の背中を倒すようにして寝ていた。多少無理のある姿勢だったのを支える役割か両手をいす部分に突き立てるようにしていた。
その手先に、正確には両手のひらの間に一冊の本が置いてあった。

「ホームレスは働かない」は偏見である。同時にホームレスに向学心がないというのも偏見だ。以前取材したホームレスは何冊もの専門書を読んでいた。だから本がある自体が変なのではない。

驚いたのはその本が小社刊『ホームレス自らを語る』(http://www5b.biglobe.ne.jp/~astra/booklist/less.html)だった点だ。
それはあるだろうと思ってはいた。この本を出すときに取材だけで終わらせず著者校正を取りにいったし、発売後は登場いただいた方へ献本にも向かった。ただホームレスはなかなか一個所に止まらず、去った後の足取りもつかみにくいためかなりの空振りとなったけれども……

ただしその寝ている方は『ホームレス自らを語る』にご登場いただいた方ではない。出版から8年ほど経ち人相風体が変わっている可能性もあろうかと失礼ながら回りをウロウロしてみた。やはり該当者ではない。では買われたのであろうか。同書は在庫こそあるが一般書店の棚からは残念ながら大方消え去っている。となると注文か。それとも仲間にもらったのだろうか。しおりまではさんであったから熱心に読んでいただいているらしい。
考えてみれば『ホームレス自らを語る』をホームレスの方がどんな心境で読まれるのかを確認したことがなかった。だから聞いてみたい。電車を数本やり過ごして起きてこられるのを待った。しかし熟睡されていて気配がない。ここで私が起こして「もしもしこの本を読まれた感想はどうですか」「どこで手に入れたのですか」と聞くのも変だ。というかおかしいような気がした。最後は後ろ髪を引かれるようにして場を去った。

大半が少部数のせいか、身の回りで小社刊の本を読んでいる姿をほとんど見たことがない。ごくまれに見つけると驚く。そして驚く自分に驚く。驚いていてどうするんだと。
ただし今回見た光景は別種の驚きだった。やはり聞くべきだったのではないかと今になって悔恨しきりである。(編集長)

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