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2008年5月31日 (土)

書店の風格/第7回 ブックスオオトリ 高円寺店

 高円寺はサブカル・ディレッタントな街だ。
 その数100をこえるといわれる古着屋が、そこかしこに見られる手作り風のカフェが、神保町顔負けの独特な品揃えを誇る古本屋が、文化や芸術へのラブコールを出し続けてやまない。情報の発信地である殺伐とした都心に比べて、なんと豊かな表情を持っていることだろう。
 何を隠そう筆者は大の高円寺好き(隠そうが露にしようが誰にも影響を及ぼさないが)。とは言っても残念ながら文化にたしなんでいるとは言えず、ただ古着が好きなだけである。よってどんな古着屋がどこにあるのかは良く存じているが、本屋さんを探訪するのははじめて。

 さて、飛び込んだのはブックスオオトリ高円寺店様。高円寺駅北口から徒歩2分程度とうれしい立地だ。今日お邪魔したのは他でもない、新刊『どこかで』のPRはもちろんだが近刊のサブカル向けと思われる本のリサーチのためだ。ドキドキしながら棚づくりをしていた女性にお声掛けすると、文芸書周辺棚の担当・山口副店長だった。

 「このあたりの方々がたいへん好みそうな本ですよ」と近刊の企画に太鼓判を押していただき(どんな企画かはまだヒミツ)、コレを好きな人はなかなかレアなのではないかと思っていた筆者は感動した。そうか、これが売れる土地か。ますます好きになれそうだ。

 「サブカルチャーの棚は、ジャンル分け不可能ですね」という山口さんの言葉通り、ゲーム関連本が三冊並んでいるかと思えばその隣がスポーツものだったり、お次は競馬とめまぐるしい。分類不可能な本は、サブカルチャーの棚に置く事が多いという。

 「私自身、置き場に迷うこともありますが、このあたりのお客さんは不思議に自分の欲しい本をサクッと見つけて買われます。棚に一冊だけ挿してあるような本でも、ふと気づくと売れていたりする。とくにサブカルチャーの本は、皆さん、本棚をご覧になりますから。台にドンと積まれているような本よりも、本棚にひっそりと一冊だけ佇んでいるような本のほうが、発見したという快感を覚えさせてくれるのではないでしょうか」

 分類に迷っても、ここに置いておけば、見つける人は必ず見つけてくれる。そこには書店員と客との、無言の信頼関係が垣間見えた。きっとお客も、「この棚を見ればきっと面白い本が見つかる」と思って書店に足を運ぶのだろう。まさに生きている本屋さんの姿を見た。地元民に向けて開かれているというのは、地域に根ざす書店に一番大切な要素ではないだろうか。

最後に、お忙しい中お時間を割いてくださった山口副店長、本当にありがとうございました!(奥山)

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