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2008年5月21日 (水)

盛満侑斗作『どこかで』リリース

私が発行人として上記著作をリリースした。ジャンルは今はやりの「ケータイ小説」であるもののアストラが出す以上は……といくつかにこだわってみた。それが吉と出るか凶と出るか。今までたいがい凶と出ていたという暗い社歴が心配ではあるけれども頑張ってみたのでよかったらお目通しを。

①実名・顔写真付き
「ケータイ小説」のほとんどが覆面である。匿名性を愛するユーザーとの相性がいいせいだろうか。しかしそれでは作品として真っ当な評価を得るのは難しい。そこで慣例を破って堂々と名乗りを上げてもらった。盛満さんも気後れするところはない。彼は自らのブログでも実名を示しているのだ(http://blogs.yahoo.co.jp/yutoyuto26302630/)。

②筆者が男性
「ケータイ小説」は匿名ながら暗に筆者が女性であるようほのめかしている。「ケータイ小説」の主要な買い手は女性であり、共感や共有感を生むには同性の方がいいのであろう。そのなかであえて男性の著者を売り出した

③処女作
小社がこだわっているポリシーの1つである。鎌田慧氏を除くと小社刊の筆者はほとんどが処女作ないしはその続編。出版社が新人を送り出さなくなったら終わりである。

④著者は現役高校生
執筆時点で17歳。私などおなじ年頃には何をしていたかさえ覚えていない。そんななかでブログを開設し少なからぬファンを持ち、思いを訴え続けている。①で述べたように実名なので年齢詐称はなく、したがって少女におもねるような書き方をしているだけで筆者は実は立派な大人……などということはありえない。

⑤短編小説と詩のコラボレーション
内容は分量としては詩が圧倒的である。「詩集は売れない」という業界の常識を打ち破りたかった半面で日々ブログで綴られる詩をいくらかにカテゴライズしないと本として成立しないというジレンマに陥った。そこで筆者は「あるストーリー」を10編小説として書き、その行間を本来汲むべきところを後に続く詩が埋めていくという謎解きのような仕掛けにした。単純化すれば「喜怒哀楽」という小説があった後に「喜」の詩、「怒」の詩……とつながっていく。編集部内では「携帯小説詩集」と名づけている。H氏賞狙っています。関係者の方がいらっしゃいましたらぜひご連絡を!

⑥「ケータイ」作品のレベル向上
「ケータイ小説」は評論家の評価外という常識を打ち破りたかった。もちろん小説部分は小説なのでフィクションである。ただし詩の部分も含めて従来「ケータイ小説」に冠せられていた「荒唐無稽」のレッテルは張られないですむクオリティーを目指してきたし達成できた気もする。もちろんそれを決めるのは気高き読者の皆様であって編集者ではないけれど

なお私個人の感想を述べると作品のあらましがわかった時点でポリスの「シンクロニシティ」をイメージした。もう約30年経つロックの名盤だけれども醸し出す雰囲気がよく似ているような。というわけでポリス世代のおじさんだって十分に楽しめる内容である。携帯小説は多く書店の一隅にあって大人が立ち入りがたい雰囲気だが大丈夫です。ぜひ手にとって(構わない書店さんの場合は)パラパラ見てやって下さい。野心作なんです。社運もかかっています。助けて下さい……じゃない!いつも最後はこちらへ行ってしまう。そうではなくてぜひ作品を吟味していただきたい。(編集長)

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コメント

こんなことをして、アクセス数を稼いでいる奴の文章を書籍化するなんて、随分血迷ったことしてるじゃねーか。
http://blogs.yahoo.co.jp/blancetnoir_monokuro/10162704.html

投稿: 緑黒飛蝗 | 2008年6月16日 (月) 00時32分


最終的には実質アストラさんが
騙されたの?

投稿: ♪ぃゃん♪ | 2008年6月16日 (月) 23時15分

ネット上データとしてのブログから紙媒体へ移行して著者は対価を得ていると思いますが、彼のプレスリリースの仕方はYahooが提供する無料のオープンソースを過剰に利用して、彼の無茶苦茶な訪問回数、ブログの世界でのマナーを無視した傍若無人な態度を不快に思う人が多数存在する事をご存知でしょうか??出版社の責任として そういった著者のバックボーンも含めて管理して頂きたいと存じます。

投稿: うゆしくたわ | 2008年6月17日 (火) 11時54分

この記事には最近スパムコメントが猛烈にやってくるので一時期コメント掲載を拒否します。他の記事にも同じ現象が発生していて同様の処置をしています。プロバイダの見解を求めるつもりです
どんなスパムかというと英語で外国人の名前と差し障りのないコメントがあり、その後にこれまた英文のホームページへ誘導する形です。物販などもあるようです。それが一度に何十本も来るのです

投稿: 月刊「記録」編集長 | 2008年6月17日 (火) 16時42分

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